2008/10/21(火)19:27
イタリアの不況と人種差別
イタリアは衣服、靴等の中級以下の産業分野が多くて零細家族経営が企業形態として支配的であるため、中国、インドなどの新興諸国との競合で打撃をうけ、更に企業活動の国際化、製品サービスの高度化も行えず、折からの不況に更に拍車がかかっている感じがします。今時どこの国も経済危機の真っ只中だとは思うけど、イタリアももちろんそう!そんななか目にした少し前の記事。毎日新聞からの記事「イタリアで9月以降、アフリカ人や中国人が被害に遭う殺人、傷害事件が連続して発生している。激しやすい加害者による衝動的な暴力という面もあるが、経済悪化も重なり「ラチズモ(人種差別)」という言葉がマスコミで多用され、人種差別に反対するデモが各地で起きている。」カルロ・モンガルディーニ・ローマ大サピエンツァ校教授(政治科学)は「イタリア人は内向的な性格で、すぐによそ者を恐れる。統率力のあるドイツ的な強い文化ではなく、外国人と融和する包容力を持たない弱い文化だ。 「人種差別」は今後、経済悪化でますますひどくなる。中国やインド、東欧などの成長が、イタリア経済を低迷させ、この国のモラルなど文化面を壊し、デカダンス(退廃)の時代に入る。西欧で最も力の弱いイタリアで真っ先に差別的な事件が増長していくだろう」と語っている。経済が停滞するとその鬱憤がマイノリティーや外国人に行くのはいつの時代もいっしょ。第2次世界大戦直前のドイツで経済の停滞から来る不満や鬱憤がユダヤ人に向けられたのは有名な話。イタリアも少子化や人材不足で移民の力が必要な状況にあります。そんな中、今回の選挙で躍進した極右政党。イタリアにとってどんどん流れ込む外国人とどう共存していくのかが重要になっていくだろう。