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カテゴリ:フェレットの健康
肝臓疾患とフェレット
<<亜鉛不足と多目のたんぱく質が肝臓疾患を生む?>> 要点:亜鉛不足の傾向があるフェレットの事情と、フードのなかにたんぱく質が多いことが合わさって肝臓で問題を起こしているのではないかという推測の紹介 2023年11月加筆 この投稿が3000以上投稿している中で一番の閲覧数が多い記事になっています。現在2600アクセスを超えています。どこから来られたのかコメント欄に記載いただけると嬉しいのですが、現時点でもある程度の確率でうまく行くので、肝臓疾患の一定の対応策になっていると考えています。 肝臓の対策は2002年に見出した方法と、この2011年の投稿のような情報を時間を経て探しています。実際であってもそれが事実か、フェレットに適合するか、どう使うかを研究していくことになります。 2016年11月加筆:この記事はとてもたくさんの人が目にしていただけている内容になっています。きっと検索で引っかかるところがあるのかと思います。実際のところ、この記事では一つの可能性を記載しているだけで、肝臓疾患の対応などは別の記事で記載していますので、そちらも併せて読まれると参考になるかと思います。著書の「ペットの栄養学2」により参考になる記事がございます。 GPT/GOTなどは3日で相性が合えば数値が減っていきます。現在お悩みがございましたら有償ですが健康相談をお寄せください。もしくは無料のサプリメント紹介をしています。 フェレットは犬猫と比べて、肝臓の数値が高くなることが普通と思えるほど多く発症します。「何でだろう?」この答えはまだ明確にはわかっていません。 この数値とは検査する機械によって表記は異なりますが、GPT,GOTと呼ばれるものです。人間では35以下が正常値ですが、400あってもフェレットは平然とし、ごく当たり前の数値とみなされることもしばしばです。(単位IU/DL) この数値は肝臓の細胞のなかにある酵素が、どれだけ血液中に出ているかを計測するもので、細胞が壊れている状況を把握するものです。この酵素は肝臓以外にも含まれていますが、主に肝臓に含まれています。そこで、この数値が上昇すればそれだけ肝臓が壊れていることを示すもので、400という数値は異常事態であることは間違えがないのです。 ただ、当のフェレットはこの異常事態をあまり負担に思っていないようで、行動にはそれほどしんどそうにしていません。そこで「こういう生き物なのか。。。」と思ってしまうこともありますが、「細胞が壊れている」この一点は間違えのない事実なのです。 この肝臓の問題は私の一番最初の課題で、対応する方法、解決ポイントは私なりに発見していて、結果もそれなりに出ています。 わかっていることは、細胞を傷つける物質だけで、そもそも問題を引き起こしている原因が私はわかりませんでした。というか獣医さんでも、世界中のフェレットを研究している人でもわかっていないことでしょう。 少し例えると、敵がいるとします。この敵が弓矢で攻撃してくるとします。その弓矢の攻撃が味方兵士に当たって、血を出すことを想像してみてください。 この味方兵士が肝臓の細胞、出血が肝臓から出る酵素と置き換えてください。 私が行っていたのは敵から攻撃される弓を打ち落とすことを念頭にしていました。しかし、この弓を放つ敵が何者かわかりませんでした。 この敵になる物質としては、肝臓で解毒するような薬物、生体異物が考えられますが、平時からそんなに生体異物を補給しているのかが私には理解できなかったのです。それほど添加物が入っているのか、製造の過程で何かの薬物、生体異物があるのかそのように考えていました。しかし、その考えを納得できない理由は、特定のフードで肝機能障害が起こるのならともかく、メーカーに関係なく発症するのはまた他の理由があるに違いないと思っていたのです。 私は2008年フードのアミノ酸分析をしたり、たんぱく質に意識を集中して研究を続けてきました。その実は肝臓で処理するたんぱく質の行く末を見ていたかったのです。たんぱく質(アミノ酸)は肝臓でアンモニアから解毒されて、腎臓で排泄されていきます。そのことが、肝臓病・腎臓病の多さに関係しているのか知りたかったのです。 猫は非常に腎臓病が多い動物で、フェレット以上だとおもいます。しかし、フェレットフードの方がキャットフードよりもたんぱく質比率は多くあり、この実情をどう判断すればいいのかわかりませんでした。 以前より「たんぱく質比率の多さは体に負担をかけるのではないか」と言う考えと、「亜鉛の要求量は、フェレットは多いのではないか?」という考えを持っていて、この2つをつなげ肝臓疾患を増す理由を記述よりみつけました。 「亜鉛不足が人の肝疾患患者に多いことを示す証拠は多い。~中略~亜鉛が欠乏すると、アンモニア代謝のいろんな面で有害に作用する。」出典:小動物の臨床栄養学 このアンモニア代謝というのが肝臓で行われているのです。肝疾患とはGPT・GOTの上昇も含まれる疾患です。 たんぱく質が多く肝臓で処理をしなければいけない量も多いことは理解ができると思います。このことに拍車をかけているのが亜鉛不足ということで、この2つが重なると肝疾患につながるという経路です。もちろんこれがすべての肝臓疾患の経路とは思ってはおりません。ただ、普通に生活をしていてこんなにフェレットが種として肝機能障害が多い理由を推測するに、たんぱく質の多さと亜鉛不足に注目しているのです。 さて、亜鉛は不足しているのでしょうか?私の研究においてフェレットと亜鉛との関係は不足傾向があると確信しています。それは、副腎疾患の多さとすい臓疾患(インスリノーマ)の多さです。つまり日常的にこの2つの臓器ではより多く亜鉛を消費する条件があるということを私は発見しています。事実亜鉛を調整していくことで反応し、改善していくことはその不足傾向を示すものです。性ホルモンにしても、インスリンホルモンにしても製造の際には大量の栄養素を消費し、亜鉛も消費します。成長ホルモンにも重要なキーミネラルで栄養を追加することで生育に変化が見られることは、亜鉛をはじめとする栄養不足を感じさせる事例です。 また、加熱・加工食品では亜鉛が失われる傾向があるので、ドライフード自体にも亜鉛をフェレットに必要なだけ供給できているかが不明なのです。フェレットは目に見えて副腎疾患とわかるようになる以前より、性ホルモンの過剰生成、乱れがあるので要求量がもともと多いのかもしれません。 さらに、インスリノーマの治療時にはステロイド薬のプレドニゾンを使いますが、これも亜鉛の消費を加速します。薬を使うゆえなのか、亜鉛不足も関係するのか肝臓の数値は上昇傾向にあります。 このように考えてみると、きちんと亜鉛を補給できていればひとつ大きく変わるのではないかと考えるわけです。 この亜鉛不足と多いたんぱく質摂取は2つ揃って先の例えになぞらえると、【敵】になって弓矢を放ち攻撃をしてくると考えることができます。 たしかに、私はサプリメントの提供として、いくつもの検討項目を持っていますが、そのなかに亜鉛補給が入っています。また、副腎疾患、すい臓疾患のときにも亜鉛をお勧めしています。与える量、反応する量のノウハウは10数年の経験で行っていますが、インスリノーマの際にも肝臓の数値に異常が出なかったり、普段から適量の補給をしていて肝臓のお悩みをあまり聞かないことを考えるとそうした栄養補給も関係しているのだと思うわけです。 サプリメントの適切な量と言うのは、健康時には1kgの体重でマドラー大盛1杯の基本サプリメントを用意し、3歳を過ぎたら活性酸素の消去状況や、健康状態を見て増量していくことを言います。 今回、「亜鉛不足がアンモニア代謝のいろんな面で有害に作用する」このような記述を見つけたことで亜鉛不足を再度確認をするとともに、この情報をおしらせすることで一歩でも肝臓疾患が減るフェレットの健康社会になればと思います。 注意:亜鉛補給には過剰症があるので与えればいいというわけではありません。ミネラルもビタミンもグループで役に立つので単品補給を推奨するものでもありません。 参照:小動物の臨床栄養学 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.11.14 11:28:08
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