2006年8月の終わりの日曜日でした。
お見かけしない若いお嬢さんが教会に来ておられました。ミサ(礼拝)が終わってお話を伺ってみると・・・
「私 SHと申します。昨日封切られた「マザーテレサ」の映画を見て、とても感激して 初めて教会に来させていただきました。
よろしくお願いいたします。」
彼女はよほどその映画に感動されたのだろう、耳が悪くて聞きづらいと言いながらも、その場に居合わせたみんなに、その映画の中でのマザーの姿を一生懸命に語って下さった。
もちろん、その場に居合わした者はまだ誰も映画を観ていなかった。
あれから一年半、洗礼への勉強も進んで、間もなく受洗されることになるでしょう。
今日、あの時のことを彼女からもう一度聞く機会がありました。
あの「マザーテレサ」の映画を見るまで、彼女は10年以上も引きこもっていました。
家の庭に出るのさえ、難しかった。
人に会うのが怖かった。
また、私のことわかってもらえなかった、と落胆するのが辛かった。
だけどなぜだか、TVで見る「マザーテレサ」の姿が心に焼き付いて離れない。
あんなふうに貧しい人みんなから見放されている人々の中にいて、そういう人々を力づけて下さる人もいらっしゃるのか・・・
「マザーテレサ」の映画封切られると知った彼女はどうしても見たい。
人の中に入るのは怖い。
暗いところも怖い。
でも、きっとマザーが守ってくださるよ
きっとキリストさまが私のそばにいて下さる
だから大丈夫!!
と自分に言い聞かせ必死の思いで、映画館に赴き、映画を見た。
あんなに怖いはずなのに、少しも怖くなかった。
素晴らしい・・・観れて良かった~~感激に浸ることができた。
何より怖くない自分!がそこにいた。
その喜びにあふれて、翌日の教会に来られ、私とSHさんは出会ったのでした。
本当なら絶対に人の集まる教会なんて行けないし、初めての人となんて話せない。
数日前までそんな状態で彼女がいたなんて、全く私は気が付きませんでした。
恵みにあずかった人はその恵みゆえに、
みんなに語りかけることができる
彼女の喜びはたくさんの人を動かすでしょう