さて、聖書講座の後、1時間半後には新幹線に乗って帰っていく兄に話したいこともあったので、そのまま聖書委員会の方々と一緒に残って、お茶をしました。
「今日のお話はテープ起こしをして活字にしたものをまた送りますので、チェックして下さい。ご面倒かけますが2回ぐらいそれをやって本にさせていただきます。」
と兄に委員さんがおっしゃった。
「テープ起こし」
なんて懐かしいことば。
「わたしも最初の頃の本のテープ起こししていたんですよ。中川博道神父さまとか、シスター渡辺和子さんとか・・・」
と声をかけました。
まだ四女も生まれていない10年以上も前の話です。
講座も聴いて、テープに録られたものをもう一度聞きながら活字にしていくのですが、話し言葉から書き言葉への変換、そして何よりも単語が聞き取りにくかったり、繰り返しが多かったりで、なかなか手間のかかる仕事です。
そして私にとって最も困難なことは、人の文を文章にしていかなくてはならないことでした。一度聞いたことを打とうとすると、なぜか自分の言葉にして打ちたくなるんです。
それはかなり苦痛でした。聞いたままを打てばいいだけのことなのに、それができない。
私って意外とこだわりやで意地っ張りであることが、この作業でよ~~く分かりました。
1時間半の講座を全部活字にするのにどれだけの時間が掛ったか、今ではもうすっかり忘れてしまいましたが、結構かかります。たぶん10時間ぐらいはかかっていたのではないかと思います。
ちびちゃんのいる中でよく頑張った!
さて、自分がテープ起こしした本はどれだっけと思って、家に帰ってからその本の一冊「聖書に見る女性たち」(サンパウロ出版)を取り出してみました。
見ると4篇ある中の3つは私が起こしたものでした。
それを見たとたん、さっと蘇ってきたことがあります。
カナダから帰ってきてすぐのころの私は5番目のSがようやく幼稚園に上がって、一人になる時間を手に入れていました。
それで木曜の午前中にこの聖書講座に駆け込んで、日常とは全く違う時間を持てることを心から楽しんでいたのです。
良い話がいっぱいあるのに講座に来られる方はせいぜい7,80名ほどの方々です。
もったいないなぁ~~
それでも講座はすべて録音されていて、ここで聴けなかった方々のために貸し出されていました。でもごく一部の方しか聴けません。
そうでした、私が言ったのです。
「シスターF(担当の方)、こんなにいい話を聴きっぱなしにしてしまうのはもったいないです。慈子(阿南慈子)さんの本のように活字にしましょうか?」
「あら、それはすてき!さっちゃん、やってくれる?」
ちょっと詰まりながら・・・
「じゃぁ、試しにできるだけやってみます」
と引き受けざるを得なかったのです。
そうして本当にそれが本になりました。
その後私がいなくなっても、担当のシスターが変わってもちゃんと今までそれは続いてるのですね。
嬉しいなぁ
さて、今日の兄のテープ起こしを担当して下さるボランティアの方には感謝です。
御苦労さま、ありがとうございます!!ご無理のないように!!
なぜって、きっと普通の1.5倍の活字量になるでしょうから・・・