むかしむかし、とある国に、それはそれはたいそう仲の良い
兄弟のおっさんが住んでいました。
二人は、なんでも相談するとても仲の良い兄弟です。
毎日、同じご飯を食べ、同じ仕事をする。
村でも有名な何でも一緒の仲良し兄弟です。
そんな二人にも、お互いに言えないことがひとつだけあります。
髪のことです。
兄のヘンデルは、弟の髪型についていつも思っています。
「その“はなわ”のような“トンガリモヒカン”は流行らないよ。
まして、天辺だけ金髪なんてダサいにもほどがあるよ。
一緒に歩いていて恥ずかしいよ。
でも、弟が傷つくといけないから、言えないな。」
そんなとある日のこと。
何でも一緒の兄弟が同じ人を好きになってしまいました。
思い切って、二人で告白することにしました。
アデランは言いました。
「私、ズレーテルが好き。」
兄のヘンデルは収まりがつかずに、怒りで体が震えています。
今にも暴れだしそうな勢いで、アデランに言いました。
「こんなヘンテコ髪型のどこがいいんだい?流行らないよ!」
弟のズレーテルは冷静に言いました。
「兄さん、髪がズレーテル・・・・」
村でも有名な兄弟。
“ヅラ”と“モヒカン”のお話し。