カテゴリ:田舎暮らし
母が「タンスの中の整理をしていたら、こんなんがでてきたよ。」と一枚のダイレクトメールを差し出す。JAの「空撮写真」のお勧め。「前にね、ヘリが来て村中の家を写真撮ってね、買えちゅうそ。確か一枚3万円じゃった。そんなもの要らんちゅうて断ったら2万5千円でええから買うてくれんかちゅうて来たよ。」近所の家はほとんど購入したらしい。良い商売だ。ダイレクトメールは葉書に我が家の空撮写真が縮小印刷されている。市販のプリンターでのカラー印刷だから見栄えがしない割には結構コストがかかっていると思う。各戸にそれぞれの空撮写真を印刷して送るのだから、いくらパソコンで作るにしても人手で写真と宛名を照合するから手間もかかる。
「農協も経営が苦しいんじゃろうね。いろんなことを考えるね。」 全く。月に何度も回覧板が回ってくるが、ほとんどはJAのカタログ。肥料や農薬、農機具はもちろん、衣料品、食料品、化粧品等々。 昔はJAで団体購入すれば安く手に入るという時代もあった。農作業でJAの売店に行く暇もないという背景もあった。そのころはJAで団体購入する家も少なくなかっただろう。 今はほとんどの家が兼業。少なくとも家族の何人かは町へ働きに行く。勤め帰りには市内の大型店で何でも安く手にはいる。品数も豊富だし、商品も新しい。高い、古い、品数が少ないJAで誰が買うものか。 当然、JAの経営は苦しくなる一方だ。専業農家の数が激減しているのだから、既に使命を終えていると言っていいのにも関わらず、業務や組織を縮小するなど見直しの動きはない。理事など役員や職員の雇用を維持するためだ。仕事量を確保するため色々な新企画を打ち出す。団体旅行、葬儀屋、保険(共済)、・・・JAは農業協同組合じゃなかったのかと首をかしげたくなる。 どれも専業の企業間競争が激しい中へ素人が参入しようと言うのだから成功するのは難しい。新しい事業を始めるたびに赤字が増えていく。このまま放置すれば倒産するというので、組合員に出資金を毎年のように追加させる。 農協に関わっていれば近いうちに破産の巻き添えを食うのは必至と見て脱退を申し出ても頑として受け付けない。市会議員まで登場して説得を受ける羽目になる。一蓮托生というわけだ。 そんな状況だから「我が家の空撮写真。21世紀に送る我が家の想い出」といわれてもね。それもいいが、組合員に迷惑をかけるなよと切に祈るのみ・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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