カテゴリ:世相雑感
イタリアで座礁横転事故をおこした大型クルーズ船。船長はいち早く付近の島に上陸避難していたところを拘束されたという。発見した官憲に帰船して救助作業の指揮をとるよう勧告されたにも関わらず、これに従う振りをして実は応じていなかった。
昔から船長は船を放棄する事態に至った時は乗客や船員を全て離船させた後に最後に船を去るものだ。中には船と運命を共にする船長もあった。それはシーマンシップであり、法や社則による以前の鉄則だ。飛行機でもその精神は同じ。件の船長、船乗りとは思えない。 今回の事故自体が不可解だ。天候も良く、船も故障など無かったようだ。会社の発表では船長が判断を誤って予定航路を外れ、島の至近を航行して暗礁に乗り上げたということのようだ。 出航後3時間で夕食時間であったということから想像すると、おそらく船長は操船を航海しに任せて食事の席に居たのではないだろうか。クルーズ船では船長がディナーのホストとして乗客を接待するシーンを映画などで見たことがある。 それは想像であるが、ともかく船長は操船に専念していなかった。おそらく自動操舵装置(オートパイロット)を入れて航行していただろう。ブリッジの当直航海士も船の要所に配置されているはずの見張りもいつもの航海で緊張感をなくしていたかもしれない。 自動操舵装置にデータを入力する際に誤入力したことも考えられるし、船の現在位置を確認するGPSに誤差が生じていた可能性もある。機械は故障するし、誤差も避けられない。それをオーバーライドするために高い人件費を払って運航要員を乗り組ませている。機械化する方がコスト的には安くなるが、完全自動化は許されない由縁だ。直接の原因が何であれ乗員、特に船長の責任は免れない。 こんなお粗末な海難事故は滅多にない。あり得ないことだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年01月16日 17時50分37秒
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