突然の訃報と音楽と...
最近ではYouTubeを使い、いろいろな形で音楽を表現している人が多く見られます。実際に楽しそうに自分を表現している人をみると、自分もやりたいなって思っているのですが、何から始めてよいのかわからないです。 私の知り合いで音楽関係の仕事をしている人がいました。私も過去に音楽の仕事をしていたことがありました。そのご自宅には機材が多くありました。昔から私が知っているものとは大きく変わって・・・昔は、キーボードを使って音の打ち込み、フロッピーにデータを落としてなどしていたのが、パソコンを中心に簡単にレコーディングができることを教えて頂いました。このような機材が家にあったら、自分の遊び道具としては十分なものです。良ければ貰ってくれないかということで、その方から、ミキサーとマイクをありがたくいただきました。その時に一緒に頂いた言葉が「人生はやったもの勝ちだよ、何か作品が出来たら聞かせてね。」と言われました。 私は「聞かせてねと言われても・・・カラオケで歌って録音するだけで精一杯になると思いますが・・・今更、曲を作るのは・・・恥ずかしいですよ」と苦笑いをしました。 最近、その方がなくなったと訃報を頂きました。いつも気にかけていただき、助けていただきました。ありがとうございました。いつかまた会いましょう。ご冥福をお祈りします。 亡くなった訃報をいただいて最後にお会いしたのが、昨年の夏でした。「今は、仕事らしい仕事をしてないから、一日暇でね・・・。」いつも周りに人がいる方だったので、コロナ渦で人との交流がないのはとても寂しとも言っていました。 その方が私に「音楽での仕事は・・・もうしないの?」と聞かれました。「やりたいからできる仕事ではないですから・・・趣味で音楽ができればいいと思っています。」なんて、今まで音楽の仕事から離れて、趣味的にやったことはなく・・・当たり障りのない答えをしてしまいました。 私の作品が世間には認められなかったことは、どうしようもないこと。私に才能がないこともありますし、逃げ道を作るとすれば、私が時代の波に乗れなかったのだからしょうがないということでしょう。 音楽を仕事に一線を引く時に、才能だけでなく「運」がとても大きいのだと思いました。同期の連中から妬み嫉妬がありましたし、実際にも自分も妬み嫉妬することがあり、そのたびに焦って、もがいて、苦しんでいました。自分が自分でなくなるような、今考えると、とても異常な世界の中にいたような気がします。そのなかで耐えられる人がこの世界に残っていけるのだと思います。そう考えると、その方の人生は、音楽の仕事一筋で頑張ってこられ、私が考える以上に辛いこと、苦しいこと、色々なことがあったと思います。 音楽って、音を楽しむと書きますが、ある時から、営利が入ると楽しいということがなくなっていました。それでも、音楽の仕事をしていた時には、どこか希望の光を求めていました。いつか自分の作品が認められたいと思っていましたが...。