図4.11 半導体素子上のアルミニウム配線の腐食の形態
写真の白い部分がアルミニュウム配線で、黒くなっているところが腐食した部分(左のアノード側では明らかにアルミニュウムがなくなっている)です。腐食するとその部分で電気が通じなくなるので、半導体素子が動作できなくなってしまいます。
アルミニウムの場合、二種類の腐食(形態)があります。この金属は、酸に漬けた場合も、アルカリの漬けた場合も腐食してしまいます。
写真で、「アノード」(左)と書いてある配線はプラスの電圧をかけたものです。この場合、配線の表面は酸性になっています。
一方、「カソード」(右)と書いてある方にはマイナスの電圧がかかっていました。こちら側では、液がアルカリ性になっていました。
このように、同じ液でも、電圧がかかっていると、酸性になったり、アルカリ性になったりできるのです。
なお、ここで、「μm」というのは、ミクロン、即ち、百万分の一メートルのことです。
写真に示したような腐食が起きないようにしたいのです。
そのために、私は、これらの腐食を引き起こしている要因を明らかにして、どういう状態にしたら、同じ形態の腐食を実験室で作れるか、という検討を始めました。