一方、半導体プロセスでの各種問題において、酸素が関係していることが多いことも分かってきました。
今回、最初に、研究所で「うまく行った」思ったのは、酸素のお陰でした。そして、工場へ行って、「うまく行かなかった」のも、酸素のお陰(制御できなかった)でした。そして、最終的な答えも酸素の制御をうまく行くようにしたことでした。
このように、良きにつけ、悪しきにつけ、酸素が絡んでいることが多いのです。
前節、Al/Si界面の問題では、酸素の影響を全部なくせたとすると、あの素子(ショットキ・バリア・ダイオード)はできなくなってしまいます。界面でAlとSiが反応して、素子にはならなくなってしまいます。
これは笑い話なのですが、当時、アメリカの、もっと良い蒸着装置を持っていた会社では、SiとAlの間に反応を防ぐ層を挟んで、この素子を作っていました。ところが、私のいた会社では、偶々、界面のSiが酸化したお陰で、この反応防止層なしで、うまく行っていたのでした。
この会社の研究者が来たときに、この話になって、先方は私達の話を聞き、びっくりしていました。ちょうど私がなぜかを調べた後だったので、私は、少し得意になって、酸素の制御ができることを「自慢」したのでした。
実際に、これだけ同じように蒸着できるようにした工場の技術者の力は大したものであると思いました。
つづく
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最終更新日
2008年06月23日 16時39分26秒
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