カテゴリ:日記
女学生はまだ若いため体の小さな子が多くいた。
当時のチンチン電車100型は、架線にポールで滑車を乗せるタイプであったので よくはずれたらしい。 荒っぽい運転手こそカーブなどで外れる。 その度に小さな女学生車掌の苦闘が始まる。 「また外れたでぇ。車掌さん。」と運転手が言う。 「はい!」と、女学生車掌 「よいしょ、よいしょ。」 その危ない作業をヒヤヒヤしながら乗客が見ている。 そうすると、車掌の危ないサーカス技が始まる。 「きゃぁー」突然からだが浮いた。 恥ずかしいのであまり大きな声も上げられず、 ポールに捕まりながら宙に浮いた。 「大丈夫かいのぅ、手伝ぅちゃろう」と、乗客が体を支えた。 ポールに捕まりながら下向き加減に、顔が真っ赤になる。 「お客さん。ありがとう」 そうかと思うと。 キップの販売とパンチ鋏入れも大変だ。 「キップをもっとらん人おりませんかぁ?」 揺れる電車の中小さな体で踏ん張り、 客に切符を売って鋏を入れる。 「きゃぁー」今度は体が揺れに耐えられなかったのだろう。 横に吹っ飛んでしまった。 でもそこは乗客も心得たもの。 「こっちにきんさい」 ちゃっかり女学生車掌は、客の膝の上に軟着陸して座っていた。 こうして女学生車掌は、電車に慣れてきて、 運転手への道と進んでいく。 チンチン電車と女学生 (原作 堀川恵子・小笠原信之著 チンチン電車と女学生) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 4, 2005 08:27:00 AM
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