孤独の牢獄(藍染惣右介)
いよいよ、ファイナルいじりでございます。これを最後にして、丸七年のいじり生活に終止符を打たせていただきます。・・長かったなあ。でも短かったようでもあり。ともあれ、いきますかね!ラストは当然このお方!!藍染惣右介でございます!!ではどうぞ。・・尸魂界における最高司法機関という老人の集会が存在することを知っているかな?名は四十六室。あまりの愚かさに、私が一度せん滅した機関だ。全て入れ替わり、少しはまともになったかと思ったのだが・・。どうやらそれは、違ったようだ。そして今・・・老いた愚者たちが私に滑稽な判決を下している。「判決を言い渡す!!元・五番隊隊長藍染惣右介、地下監獄最下層第八監獄“無間”にて一万八千八百年の投獄刑に処す!!」・・・投獄だと?この私に・・そんなものが意味があると本気で思っているのか?・・実に滑稽だとは思わないか?滑稽な老人たちが私に滑稽な判決を下しているわけだ。そんなものは・・何の罰にもなりはしないよ。・・何故なら・・。・・私は尸魂界に流れ着いて以来ずっと・・・・・孤独の牢獄に繋がれていたのだからね。俗に<天才>と呼ばれる子たちがいるだろう?その子たちは幸せだとは思わないか?その子たちは、その才能を見せる事で世に受け入れられるのだから。逆に言えば、受け入れられる程度の才能であることが幸せと言える。それを遥かに凌駕する才を持っていた私にとって、<天才>という名など何も意味もないものだった。・・さて、質問だ。世に受け入れられないほどの才能を持つ者は一体どうする?大まかに言えば二つだろう。受け入れられぬことを承知で自らの才を出し、やがては自滅するか・・。巧妙に受け入れられる程度の・・いや、時にはそれ以下の凡人として擬態するかだ。私は後者だった。尸魂界に流れ着いた時から、既に自分の持つ能力が他者に受け入れられない事を知っていた。私は凡人に擬態し、才ある者のみが集うという真央霊術院へ入学した。・・あまりの低能さに眩暈すらしたものだ。院生は元より、師として教壇に立つ者の才能すら、私の納得が得られる者はいなかった。だが、私は目立つような飛び級もしなかった。当然、普通の天才の範囲でだ。その間私が何をしていたか教えよう。どうやれば、人は心を私に許すのか。それを実験していた。大多数の者の心を掴むにはどうすればいいか。反感を抱いている者への対処。剣術、体術、鬼道、学問などとうの昔に終わっている私にとって、人の心理を掴むことくらいしか学ぶ意味がなかったと言える。人は使いようによって味方にもなり、喜んで身を差し出す棄て駒にもなる。・・何事にも実験にある程度の時間は必要でね。臨床実験に必要だったのでそうしていた。善の仮面を被ることなど造作もないこともそこで理解した。だが誰も真の私を理解しえない。理解するには同じ場所にいなければならない。私と同じ場所に立てる者など誰も居なかった。席官として死神になった時は、少しはこれでも期待していたんだよ。私と対等になれる者がいるのではないかと。だが、その期待は裏切られた。私の鏡花水月の前に、当時の隊長格は道化の様に術に入る。確かに鏡花水月の能力は完全催眠だ。だが、隊長までもがただの席官だった私の催眠に沈黙した。・・・隊長など何の意味もない。最強と目される山本でさえ、攻撃力はともかくとして完全催眠にかかれば、私が勝つ。確実にだ。私と対等に戦える者は居ないのか。・・いや、開発能力という意味では存在した。浦原喜助だ。彼だけが私と対等な場所で死神の可能性を考えていた。だが、その浦原でさえ私と対等には戦えない。どうすれば得られる?どうすれば私と同じ場所に立つ好敵手を。どちらが勝つか解らない甘美な緊張感を私は味わう事が出来るのか。だからと言って私は今の場所で留まるつもりなどない。更なる先へ。更なる高みへと進むだろう。・・・・そして私は更なる孤独を味わう事になるのだろう。どうすれば得られる?どうすれば全ての策を使い、全ての能力を持って戦うことの喜びを得られる?何故誰も私のところへ上がってこない。何故そんな低いところではいずり回る?・・・全世界を敵に回せば・・・。・・・私は望む充実を得られるのか?強くなる手段を得られれば、私は更なる高みへと一人昇る事になる。孤独はその代償。ましてや、尸魂界に流れ着いた時からそれは私と共にあるものだ。私は恐らく存在する限り、至高なる場所の孤独の牢獄に住まうことになるのだろう。・・だが今ある存在でそれを望めないとするならば、新たに創造出来ないか?破面を作り始めたのは、強さの可能性を探る為でもあり、私を倒すことのできる存在を作れるかどうかの実験でもあった。だが、ことごとく失敗した。苦労して集めた十刃たちは、結局私には届かない。そして可能性のあるのは、いつしか人間の少年だけという、実に失笑する事態となっていた。この身に取りこんだ崩玉は、周囲にいる者の心をその意思によって具現化する力を持つ。・・・崩玉よ。お前の能力が真ならば、私の願いを叶えてみせろ。この私がこれだけの舞台を作り、手をかけて来た結果を失望で終わらせるな。・・・だが、どうやら崩玉は私の意図を理解したらしい。ギンは、私を危機に陥れる事で進化に必要な恐怖を知らしめる役割を果たしてくれた。もっとも・・・それも私を倒すまでには至らない。そして、私の望む存在が現れた。黒崎一護だ。最初は失望した。何故なら霊圧を感じなかったからだ。だが、違った。私の理解出来ない領域に彼は存在した。・・その時の私の驚きが解るかな?私と同じ場所に立つならばともかく、そのさらに先に黒崎一護は居たのだ。私は彼を否定した。強く彼を否定した。だがそれは正確ではない。否定しようとするほどの存在と相対する興奮を味わっていたのだ。斬魄刀と同化した彼の強さは私の理解を遥かに凌駕した。崩玉と同化していなければ当然即死だっただろう。この存在がある限り。私は、まだ先へといける。まだ負けない。人間如きのお前に、この私が負ける筈がない。更なる高みへ。私はまだ行けるのだ。その時私の孤独の牢獄の扉は、確かに開かれていた。その明け放たれた外を私は確かに見たのだ。・・だが。私の甘美なる時はそこで終焉を迎える。黒崎一護は、最後の月牙天衝を使う代償に死神の能力を失ったのだ。私は勝った。死神の能力を無くした人間の少年など、何の意味もない。もう私と同じ、いや、それを越える存在は存在しないのだ。・・・あと一歩で牢獄から出ていただろう。だが、私はまた同じ牢獄に囚われた。・・・ここまで来て、失うのか。ならば・・・この先に進む価値は何処にある。・・・何も無い。そう思った時、私は新たに手にした力を失っていた。浦原喜助の術が発動し、四肢の自由を奪われる。浦原は、それが崩玉の意思だと言った。崩玉は私を主だと認めないのだと。・・そして私は封印され、今この滑稽な判決を聞いている。崩玉と共にだ。浦原が言った“私を主だと認めていない”崩玉は全関節と骨に至るまで歪められた私を、封を解かれるや否や完全修復した。・・浦原喜助。君は解っている筈だ。君の言った事が全て事実では無いことを。だが、正解もある。私が能力を失ったのは確かに崩玉の意思だ。・・そしてそれは私の深層の願いでもあるのだろう。今現在、私と同じ場所に立てるものは最早存在しない。その私が力を持ち続けても意味もない事だ。同じく地上にいようが地下監獄にいようが、どこにいても同じ。今までと同じ・・孤独の牢獄に捕らわれているだけの事。だから、四十六室の判決は、私に何の意味ももたらさない。私は、私の為した事を後悔など欠片もしない。・・・愉しかったよ。善人では決して味わえない快楽だったからね。・・・この世は実に滑稽な世界だ。唾棄すべき王の為に、尸魂界は存在する。護るべき価値など無い世界だ。・・私が望みのまま動いたからと言って・・・・私を裁ける者など居はしない。・・私をどうしても裁きたければ・・・・・この孤独の牢獄の扉をこじ開けて・・この私を引きずり出すがいい。なんちゃって。うーーん、うーーーん。こんな感じになりました。苦労しました。惣さまをファイナルいじりにすると決めたその昔。こんなに苦労するとは思いませんでした。正直納得してはいません。この為に丸七年も頑張って来た訳では・・。けどいたしかたなし。惣さまの最後の迷走ぶりで、いじれるのはこの程度でした。残念で悔しい。最後まで巨悪の美学を貫いてほしかった・・。惣さまはまだ生きてます。でも、オイラのいじりたかった惣さまは地べたに沈んでしまいました。また出てくるかもしれませんが・・。けれど、惣さまには本当に感謝してます。惣さまがメガネパリーンでイメチェンしてくれたあの時から、本当に私の中でBLEACHが別格の漫画となってくれました。場つなぎでいじり始めたのが、幸いにも好評で続けていじり始めるようになり、何時しか何のためにいじり続けるのかと自問自答した時、惣さまの最後をいじりたいという目標がはっきりしました。正直いじるという事に関して、未だに抵抗はあります。何時でも原作に戻れるように。どのキャラもそのキャラらしく。どのキャラも魅力があるように。それがいじりのオイラの原則でございました。いじる贖罪のように、感想ツッコミは面白く頑張ったつもりです。少しでもBLEACHファンが増えてくれるように。これで、オイラのいじりは最後です。惣さま、本当にありがとうございました。それと、これまでいじりと付き合いいただきました全ての皆様に感謝いたします。そして、久保先生。今迄本当に失礼いたしました。新展開で、より魅力あるBLEACHとなりますように。あ、感想ツッコミはこれからも続けます。ブログもサイトも閉じませんよ!(笑)まだお付き合いいただける方は引き続きよろしくおねがいします。来週のジャンプツッコミはシウマイの国からです。テンション高く行きたいですね!