僕達は今考えると奇妙なカップルだった。
僕は葉子に振り回されても、愛は育てる物だと思っていたから、彼女を責めるより、理解する事に僕は務めた。
相変わらず、葉子の口から、あの謎の言葉が出てくる。
「今度、映画でも?そうそう、花火でも?美味しいケーキでも?」
会っている時でも、彼女は「別に~」僕はウンザリしていた。
双子の姉妹と言うのは不思議だ。
姉がこんな調子だと、反対に妹は社交的な性格で、
「伸ちゃん、葉子の事ほっておけば!」と逆に心配される始末なのだ。
「メメちゃん、葉子は俺の事嫌いなのかな?」
妹の恵美は答える。
「そんな事無いよ。家じゃ、伸ちゃんの話しか葉子しないんだよ」
妹の恵美の話しを僕は信じた。
いつか僕達はきっと本当の恋人同士になれる。
そう信じて僕は疑わなかった。
男の愛は積木の様で、女の愛はブロック崩し。
この考え方は僕の恋の方程式なのだ。
男は女に惚れて行くと積木の様に彼女のいい所を積み上げ安心していく。
ちょっと位の過ちだってあいつは許してくれるだろう。
しかし、女の人は好きになった時が100%で、
相手の嫌な所や、キズつけられた事を減点していく生き物なんだと。
彼らの物語もこの法則が支配しているのかもしれません。
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Last updated
2006.03.21 00:16:20