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【理想的な結婚の後始末】 エイブリー・コーマン著 大谷真弓訳 求龍堂刊
ISBN978-4-7630-0702-5 80年代初頭に映画化され、別離した家族間の苦しみ悲しさを表現して話題を呼んだ【クレイマー・クレイマー】の著者による最新作。 離婚した夫婦と大学受験を控えた男の子とそれを取り巻く友人たちの数年間の物語。 短いエピソードを繋いでいく手法で、それぞれの登場人物の心のひだを細かく表現していく。 普通の成績しか取れない息子に過大な期待を抱く離婚した元夫婦。 それぞれが事業者として成功しているのだが、そのことが離婚へと繋がり、その狭間で人知れず苦悩する青春期の息子。 ありていに言えば、よくあるシチュエイションでよくある話。 そんな物語を、映画のカット割のような手法で細かく表現している。 登場する人物の全てが、普通に心に悩みを持ちながら普通に生活を営んでいる。 誰も格別なことをするわけではない日常が描かれているのだが、息子の生活を通して色々な感情が明らかになり、ささやかな幸せへと繋がっていく。 今日、読み終えたのだが自然に涙が滲んできた。 いつも読んでいるおどろおどろしたアクション・ハード・ボイルドな物語では得られない感動を得た。 ひょっとすると人によっては退屈かもしれないけど、色々な人に読んで貰いたい本だと思う。 理想的な結婚の後始末 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.12.30 20:49:37
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