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平日にがらがらの美術館に行けるのは、失業者の特権!
ということで、兵庫県立美術館で行われている「ルイヴィトン 時空を超える意匠の旅」を観に行って来た。 今回足を運んだ理由は、 (1)安藤忠雄の会場デザインに興味があったから (2)「西洋文化がいかに日本文化に影響を受けているか」という証拠を見るのが好きだから (ヴィトンのモノグラムは日本の家紋にヒントを得ているらしい) (3)私の好きな、ティファニーのガラスも展示されているようだったから (行ってみたら、二点しかなかったけど) もうひとつ大きな理由は、 (4)ヴィトンの鞄職人としてのクラフトマンシップは、素晴らしいと思うから。 念のために言っておくと、私はヴィトンマニアではない。 開店前から並んで限定品を買ったり、 海外店でいくつもバッグを買いあさったり、 男に高いバッグを貢がせたり…といったことは、一切したことがない。 だいたい私は、高級ブランド品なんて買ったことないのだ。 持っているブランド品は、ほとんどが祖母や母のおさがりだもの。 たとえばグッチのショルダーバッグは、祖母が母に譲ったものをさらに私が譲り受けたものだ。 3代で使っているだけあって、使い込まれて革の色がいい感じに深みを増している。 ところが数年前、とうとう糸がほつれてファスナーがはずれてしまった。 そこでグッチのお店にリペアをお願いしに行ったら、 「リペアは承ってません」 と、あっさり断られてしまった。 まぁ、ファッションブランドにリペアまで期待した私が間違っていたのかもしれない。 とはいえ懲りない私は、今度はヴィトンの長財布のリペアをお願いしてみることにした。 これも祖母が使っていたもので、革は丈夫なのにファスナーとボタンがはずれてしまい、使えなくなってしまったのだ。 前回のグッチのことがあるので近所のリペアショップに頼もうかとも思ったのだけれど、 多少高くついても、できれば製品をいちばんよく知っている製造者の手に委ねたい。 というわけで、ダメもとでヴィトンのお店に行ってみた。 すると、 「弊社のリペアセンターに送りますので、少々お時間はかかりますがよろしいですか」 とのお言葉。 ヴィトンにはちゃんとリペアセンターがあるのだ! スタッフは、その場で長財布を丁寧に点検して 「ファスナーとボタンのほかにサイドのほころびもお修理しますと、一万円ほどになります」 と見積もりを出してくれた。 きっと、その次に来る言葉は 「どうせ一万円もお支払いになるのでしたら、少し追加して新しいのを買われてはいかがです?」 ってなとこだろうと思いきや、 「これは、私も見たことがないデザインですので、ずいぶん昔のお品ですね。 長く使っていただいて私どもも嬉しいです。 革はまだまだキレイですので、大切に使い続けてください」 と言っていただいた。 こんな風にアフターサービスがしっかりしているのは、自社製品に対するプライドの現れじゃなかろうか。 ルイ・ヴィトンというのはファッションブランドである前に、職人気質の鞄屋さんなんだなー…と思った。 そして今日の展示を見て、それがまちがってなかったことを確信した。 ヴィトンのバッグをぺしゃんこに潰して使ったり、 ヴィトンの偽物を使ったり、 「友達がみんな持っているから」という理由でヴィトンを使ったりしそうな人たちに、観てほしい展示だった。 ルイ・ヴィトンのクラフトマンシップは、やっぱり素晴らしい。 …とヴィトンを褒めちぎってはみたものの、 実は私、ヴィトンのバッグなんて買おうと思ったこともないし、これからもきっと買わないと思う。 「ヴィトンは素晴らしい鞄屋さんだ!」と思うことと「ヴィトンを買いたい!」と思うことは別物だからね。 「松井は素晴らしい野球選手だ!」と思っても「彼と結婚したい!」とは思わないのと同じよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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