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まつけん7

まつけん7

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2006年08月02日
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テーマ:鬱病(2269)
カテゴリ:躁鬱病とたたかう
最近まで色々悩んでいたことについて、
ある宗教家であり、哲学者の言葉によって、
少しではあるが楽になった。

その人の名前はキルケゴール。
「死にいたる病」を書いた人である。
このタイトルだけを見て、アニメのエヴァンゲリオンを浮かべた方も
居るかもしれない。自分もエヴァを見て、このタイトルが出て驚いた。

この本によれば、死に至る病とは、「絶望」のことであるという。
この世にはさまざまな絶望がある。挫折、裏切り、自分の頼りなさ。
思うように行かないもどかしさなどなど。

特に自分に対する絶望というのは究極の絶望。
たぶん、自分も自分に絶望していたのではあるまいか。

だが、キルケゴールは言う。絶望を知らない人よりも、
絶望しながら生きる人の方が尊いと。

絶望を感じ、その上で神にひざまずくのが良いのだと。

自分はキリスト者ではないので、神に祈ったり、懺悔することも無いが、
宗教観を抜きにしても、とても救われた思いがした。

「自分は自分のままでいい」と言う言葉は、本当はあまり好きではない言葉だ。
自分の中では、「逃げ」の言葉に聞こえてしまうからだ。
そういう意味ではオンリーワンという言葉も好きではないが。

人間は、根本的に何かと競争しながら生きていると自分は思う。
競争する相手が居なかったら、自分と競争するのだと思う。
人間とはそういう存在であると思う。

こういう自分を禁欲的と他人は思うのだろうか。

===================================================================

以前、カウンセラーの方に行動療法の一環として、「山登り」を薦められた。
だが、その時の自分は、「山」と言うものに対して、まったくイメージがわかなかった。どうして人は山を好むのだろう。山登りをして何が楽しいのだろう。
わからなかった。元々、アウトドアの人間ではなかったし、昔ボーイスカウトをしており、野外キャンプやちょっとした山登り、長距離ハイキングなどもしていたのだが、そんなにキツイことを何故するのかが分からず、また大人になってからも敬遠していた。カウンセラーの方に、「例えば、どんなところを歩くのですか?」と伺ったら、だいたい1000m級の山を登るくらいですと答えてくれた。
その時は、それだけで終わった。

だが、人間には一種の気づき、所謂、スピリチュアルな出会いと言うものがある。
自分は天邪鬼なので、家内がスピリチュアルなテレビ番組を見ているのを、
ふーんって感じで思っていたが、実は学生時代はスピリチュアルな本が好きで、
また、下宿でヨガみたいな気功法を勝手流にやっていたのだ。

今週の日曜に、実家に顔を出した後に、地元の大型スーパーに行った。
家内が洋服を探している間に自分は本屋に居て、なんとなく本を物色していたのだ。
何気にとった文庫本が、夢枕獏氏の「神々の山嶺(いただき)」だった。
下巻しかおいてなかったが、すごく自分の目と胸に焼き付いていた。
家に帰ってから、アマゾンでどんな内容で、どんなレビューがなされているかを
見てみた。「山岳小説」・・・初めて耳にしたジャンル。そして、非常に評価の高い小説であることを知った。
その後、山岳小説について調べたら、どうやら、この小説は山岳小説としても高く評価されているようだ。ますますこの本に興味が出て、読みたくなった。
買おうかどうしような悩んだが、まずは図書館にあるかどうか調べた。
すると住んでいる町の図書館にあったのだ。読んでみたい。
そう思い、次の日には図書館から、「神々の山嶺」上下巻を借りてきた。
それが昨日のことである。そして、今、読了したばかりだった。
上下巻あわせて900ページある単行本を14時間足らずで一気に読んだのである。
5時間の睡眠時間、食事の時間を除いて。
この本に魅了されてしまい、1日もかからずに読んでしまったのである。
これには自分も驚いてしまった。実は夢枕獏氏の小説を読んだことは無いのだが、
こんなに読者を酔わせる作家が居たのだと感じ、至福のときを得た。
そして、何故、人は山に登るのか。ヒマラヤ山脈の山々を登頂することが
如何に困難なことであるのかが分かった。冒険の何者でもない。
空気が薄くなることが分かっていても、それがどういう事態をもたらすのかを
初めてしり、山の怖さを知った。そして、自分が知らない別のストイックな世界
を知った。それはダンジョン探索でもなく、思索の迷宮でもない、
自然が作り上げたものを征服するという人間の本能、欲望。
元々、自分はストイックなもの、ことが好きである。
とことんまで考えたり、動いたりすることだってある。
だから、この本に魅了されたのだろう。とらわれてしまったのであろう。
そして、少し山のことが好きになった。自分は山男ではないので、
エベレスト登頂など出来ることはないが、カウンセラーの推薦する1000m級の山を
トライしてもいいかも知れない・・・そんなことを考え始めている。
しかし、本当に面白かった。次は新田次郎氏の山岳小説を借りてこようと思う。

神々の山嶺(いただき)(上)

神々の山嶺(いただき)(上)

神々の山嶺(いただき)(下)

神々の山嶺(いただき)(下)
ただ、この夏は、もしかすると遊びになど行ける余裕が無いかもしれない。
家内のお婆さんが体調を崩したようで、春に会ったときは歩けていたのだが、
今は歩くことが難しいそうだ。老人に夏は堪える。何とか夏を凌いで欲しいと
願いつつ、出来れば夫婦で家内の実家に行き、お婆さんの顔を見たいと思っている。





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最終更新日  2006年08月02日 11時17分18秒
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