7.クージョ

7.クージョ

先頃ブラジル方面で吸血コウモリが大量発生し、そこから狂犬病が伝染し十数人の人たちが亡くなったというニュースがあった。狂犬病の媒介となるのにはコウモリが確かにいるわけである。

セントバーナード犬の飼い犬クージョがある日コウモリに噛まれてしまい、狂犬病にかかり、従順さはなくなり、ついには飼い主の母親とその息子に襲いかかる。真夏の炎天下にさらされた空調のないクルマに閉じこもり、外には狂犬がいるという極限状態が続く。

物語の恐怖は、人命救助犬であり、フランダースの犬としても有名なセントバーナード犬が人間を襲う怪物となってしまうことである。
これは、キングの作品中、最悪の結末と言っても過言ではない。といってしまうと、だいたい想像が付くだろう。
しかし、映画化に際し、最悪の結末は変えられている。そういう意味でも、映画はアクがなくなってしまうのであるが。