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横浜の北部、新興住宅地として開発された場所に最近建った高層マンションがある。
基本的には、街作りの構想として家族・・ファミリー向けの分譲だったが、ちょうどマンション不振の時期に出くわしてしまい、そのたがを取っての募集となった。 そこに、独身貴族の名を語る一見いい男が住んでいたのだが、同じ廊下に住むひとりの若妻が自治会の回覧板を届けると、チャイムを鳴らしても返事がない。 「おかしいわね、確か昨日夜遅く帰ってきた気配があったのになあ」 よくドラマでは、そこでドアを押すと開いてしまうのだが、彼女はまさかと思い押してみた。 ギイ・・ 「あら?」 ドアは開いてしまった。 そして、中の廊下の向こうのリビングで倒れている足を彼女は発見することになる・・ 「警部!このガイシャを見てください!」 「何だね、田中君?」 若い刑事が、元気よく先輩の警部と一緒に現場に着いた瞬間、彼は否応なしにあるものを見てしまう。 「これですよ、ズボンの前の所・・」 「ム?」 なんと、そこに倒れている死体のズボンの前の部分が、死人とは思えないほどに「テントを張っていた」のである! 「死んでるんだろ?この男は・・」 「ええ・・」 若い刑事は鑑識の女性を呼んだ。最近では、鑑識も女性が増え、平気で死体の転がっている現場に立ち会う。 「君・・悪いけど、このファスナーを開けてみてくれないかい?」 若い刑事も気まずいのではあるが、やむを得ず、彼女に頼むことにした。 やはり、専門家にさわらせた方がよいだろうという考えあってのことで、決してセクハラとかそういう類でその女性にやらせたわけではない。 しかし、彼らは、その後、PTSDに陥ることになる。 鑑識の女性が、白い手袋で、死体のズボンのテントを張っているファスナーをゆっくり開いた。 そして、一瞬、現場は驚きと羨望のどよめきに包まれたのである・・・ ーーーーーー◆ーーーーーーー バイアグラをのんだことがある。 いや、決して、私は「起たない」というわけではないのだ。 まだまだ868歳にして元気な朝を迎えることが常日頃の一日の始まりである。今だに・・ 今では、国内でも認可されたバイアグラだが、ちょっと前までは、ご存じの通り、日本での認可がされておらず、薬局での取り扱いはなかった。逆に認可されないがために、輸入業者が個人輸入を称して大量に海外から買い取り、売りまくった。 そんなときに、私の旧来からの友人が、それを持っていたのだ。 ある冬の日のことである。 東京で酒をのんでから、彼の家のある神奈川までタクシーで繰り出し、キャバクラに行ってから、彼のマンションで一休みだとばかりに、ビールをしこたま買い込んで乗り込んだ。 「ねえねえ、arkyさん、おもしろいものがあるんですよ」 「え?」 「クスリ・・」 「オイオイ!オレは犯罪者になるのはいやだよ!」 「違うよ!そういうのじゃなくて、あれあれ・・」 「あれあれ・って、あれあれ詐欺じゃないんだから」と、当時は、まだオレオレ詐欺はないのにそんな冗談を言う私である。 「あれですよ!バイアグラ!」 「へ?」 「バイアグラがあるんですよ!」 「って・・オレ、そんなののまなくたって、ビンビンだけど?」 (一部不適切な表現がありますことをお詫びします・・あ、適切な表現かな・・) 「でもさあ、のんでみたいじゃない!?どうなるかさあ」 「そんなののまなくてもビンビンということは・・」 「そうそう!すごいことになるんじゃないの?」 「よしよし!いいぞいいぞ!やってみるべ!のんでみるべ!」 原色オジサンは派手にいくべ!のノリである。 で、我々は、彼の手元にあったバイアグラ錠を二つに割って、ビールで流し込んだ。 そのころ手に入れられるバイアグラは、もちろんアメリカの患者向けなので、今ある日本向けのものよりは大きいので、二つに割ってのむのがちょうど良かったのである。 「さ!これで、もう一回行きましょうぜ!」 「クスリが効く頃に、ちょうど大騒ぎか」 と言うことで、能力強化剤を飲み込んで、またまた夜の繁華街になだれ込む、わたしたち。 果たして、どうなる!!??? (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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