「スター・ウォーズ・サーガ」完結記念
『スター・ウォーズの想い出サーガ』
(サーガ7・クローンの攻撃)
20世紀末に公開された「スター・ウォーズ・エピソード1/ファントム・メナス」につづき、21世紀も間もない2002年に「スター・ウォーズ・エピソード2/クローンの攻撃」は、公開された。
「スター・ウォーズ」といえば、もちろん、あの黒装束に身をまとったダース・ベイダーがひとつの象徴でもあるのだが、帝国軍の白い兵士たち、つまり「ストゥルム・トゥルーパー」も(デザインに変遷があるが)ある意味おなじみのキャラである。
これらは、クラシック・シリーズ、つまりエピソード4から6までの間は、
当然の如く・・
人間が演じていた。
もちろん、クローン兵士であるという設定は、昔からあったわけである。
クローンだから、質より量で攻めている。
いくら射撃が下手だろうが、頭が悪かろうが、たくさんいれば、いいってもんだった。
しかし、昔の映画ではCGが使えないので、大勢いるシーンは、
ガラスに描いた絵を撮影していた。
グラスマットペインティングという手法である。
絵の一部はす抜けになっているので、その向こうに撮影した映像を映写して合成すると、数百人のクローン兵士のいるところをダース・ベイダーが歩いていくシーンというのが作れたのである。
それが、今や、CG。
「質より量」には、もう最適!である。
数百人どころではない、数千人、数万人のクローン兵士が、「クローンの攻撃」の、クライマックスには登場する。
これが、もっと昔の映画だったら、本当に数万人の人間を集めなくてはいけない。
その他大勢、エキストラと言う人を出演依頼するわけだが、一人に払うギャラが5000円だとしても、数万人集めりゃ、数億円はかかるわけだ。
これが、このシーンのCG作るのに3000万円と言われても大したことないわけである。
これは、役者のギャラだけではない。
あの、白い兵士のスーツを作るだけでも十万円くらいかかると考えれば、もう、ものすごいお金がCGによって節約できるばかりか、クオリティも信じられないような映像がいとも簡単に作れることになるのである(まあ、簡単ではないんだろうけど、実際に撮影するよりは簡単だろう)。
「クローンの攻撃」を見ていて、ああ、これはCGだな、と思いながら見ていても、オビワンやアナキンと会話をするクローン兵士くらいは人間が演じているのだろう・・・と思いきや、
この映画に出てくるクローン兵士は、全部CGだった。
「スター・ウォーズ/クローンの攻撃」を見た方ならお分かりだろうが、確かに、数万人の兵士たちが整列しているシーンは「CGだろうなあ」と思えるのであるが、俳優(ユアン・マクレガーとかヘイデン・クリステンセン)との絡みがあるところでさえも、あのクローン兵士はCGだったのである。
この映画では、兵士のスーツは一着も作られていないそうである。
いや、それを聞いたときには恐れ入った。
どうみても、実写にしか見えんのですよ。
そして、驚くべきは、DVDを買って、メイキングを見て判明したのですが、
あのヨーダ様がCGって言うのは、わかるんですけど・・・
ユアン・マクレガーもCGだったんですよ!!!
ひょえぇえーーーー!!!
ま、その真相は、DVDで見てくださいね。
さて、「スター・ウォーズ/クローンの攻撃」は、成長したアナキンが、アミダラ姫、パドメと結ばれるシーンで幕を閉じる。今回の映画が、まるでスター・ウォーズらしくない、恋愛映画みたいであった象徴とも言える。
実は、この場面、公開当時は二通りのシーンがあった。
機械になったアナキンの手を、パドメが握るのと握らないのとがあったのであるが、その意図ははっきりしていない。
なぜ、二通りあったのかと言うと、「スター・ウォーズ/クローンの攻撃」は、「スター・ウォーズ・サーガ」史上、初めて、全編「ハイビジョン撮影」、つまり撮影にはフィルムは使われていないのである。
そして、日本でも一部の映画館で「DLP上映」と言えば、聞いたことのある方も多いと思うが、フィルム上映ではなく、デジタル・データを上映する方式もとられた。
この、フィルム版とデジタル版では、どうやら幾分か、違うカットが使われたらしい。
ちなみに、現在上映されている「スター・ウォーズ/シスの復讐」も、デジタル版とフィルム版は少し違うらしいが、まだ、その違いに関しての情報は入っていない。
以上、今回は、「スター・ウォーズ/クローンの攻撃」を見ていないとよくわからん話だったろうけど、じつは、全6話の中で、この映画が、私にとっては一番つまらなかった、ともいえるのである。
なんせ、私には縁のない
「恋愛映画」ですからねえ!!
・・・
そして、いよいよ、パドメの純粋な愛を得たはずのアナキンは、むしろそのために暗黒面に陥ることになって行くのであった。
(つづく)