カテゴリ:ぜんぜん関係ない話
先日。
乗っていた路線が人身で完全にストップし、運悪く私は駅と駅の間で止まってしまった車両に乗っていた。 その電車には10分強しか揺られない予定で、そもそも◎時までに某所に行かねばならなかったため、改札の直後に視界に一瞬だけ入ったお手洗いを敢えて無視し、ホームに降りた時には到着していた電車に乗り込んだのである。 そういう時に限ってあるある、である。 猛暑で薄着、足元は先があいていてペディキュアが見えるサンダルを裸足で履いており、座席には座れずつり革へ掴まる。 全線回復まで50分後というアナウンスが流れた時は、およそ卒倒するかと思った。なんとしても、お手洗いを耐えねばならない... ん? このまま行くとお手洗いの話になってしまうので、本題に話を戻すと、 とにかくそういう「ため息」が充満した車両は不気味なほど静まり返り、次々と電話で連絡を取ろうとする人の口ぶりを、みんな何とはなしに聞いている風であった。「なんとかに遅れます」「子供の迎えが遅くなるんです」「ごめーん、...」みたいな通話が、なんとなーく順番になされる中、 わたしの目の前に座っていた、よく見ればなんとなくアジア風の男性が、iPhoneに打ち込んだかと思うと、「電柱の陰だから暗くてよく見えない」みたいな動きをして、わたしの隣に立っていた背が小ぶりな女性におもむろに画面を見せた。 話しかけやすい背丈の女性を選んだと思われるが、その女性はiPhone画面を一瞬みた後、くるっっとこちらを向き、「あの、英語わかりますか?」とわたしに尋ねるではないか。 わたしは正直それどころじゃなかったのだが、ここでイケナイ妄想が頭をかけめぐった。しーーーんと静まり返ってスマホ画面を凝視するこの静かなる雰囲気を打ち破り、英語で話しかけてこのアジアンな男性を助ければ、いざとなったら座席を譲ってくれるにちがいない...最悪のケースを想定して恩を売ることに決めたわたしは覚悟を決めて英語をしゃべることにした。 実はそんなに周りは周りに注意を払っていないことは気付いているわたしと、周囲の視線を感じたくないからメガネを外したいわたしがせめぎあっている感じがありつつも、話し始めたら意外とイケることに気付いた。 そして口を動かしながらも「トイレに行きたい感じがするから席を譲っていただけませんでしょうか?」をどう言おうか考えており、こういう時に便利な英単語があり nature call といったら、この、間違いなく英語が第一言語ではなさそうな若い男性に、果たして通じるだろうか?とドキドキしていたのであった。 さすがにいくら英語であっても「toilet」と言ったら周囲にバレてしまう。Nature ~ を思い出した自分偉い。天才か! と気分を乗せながら、頼むからビックウェーブが来てくれるなよ、と祈る思いで待ち続けて、広げた本も全く頭に入らず、時折アナウンスを英訳しながら待つこと40分。 勝った!! 勝ちました!! 貧乏ゆすりを全身ですることもなく、淑女としての品位を保てたわたくし。悠々とプラットフォームに降り立ち無事、お花を摘むことができたのであります そして予定にも間に合ったのであります ばんざーい!!! やはり努力は報われるのである。少なくとも「報われるんだ」と信じて、今日も手や口を動かしてお勉強することが大事なんである、と再びやる気に満ちている今日このごろである お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年08月07日 22時25分34秒
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