テーマ:カメラ・・・四方山話(735)
<「元気なレンズ」というイメージはα7IIでのものか?>
以前からα7IIでのMinoltaのこのレンズ「AUTO ROKKOR-PF 55mm F2」は色の出方と意外な線の太さから『元気なレンズ』というイメージで捉えていました。 その後α7IIを卒業して現在のα7RIIを使ってこのレンズをいろんな場面で使ってみるのですが、色はさすがに気持ち良く出るんですが、以前から持っていた文字どおり『元気な』というイメージがどこかへ行ってしまった感じがするんですねえ。 そんな思いを抱いてここ何日かずっとこのレンズを使ってみたんですが、なんとなく分かってきたことを撮ってきた画像を見ながらまとめてみたいと思います。 <オールドレンズゆえの解像度?> まずはα7IIからα7RIIへ変わって高画素でのこのレンズの限界が少し見えてきました。 というのはこのところ立て続けに手に入れた「APO-LANTHAR 50mm F2」など解像度の高いレンズ2本を使っていて感じること、つまりファインダーのピント拡大で高倍率の方を使った時に一番わかり易いのですが...高解像度のレンズでは拡大倍率を上げるとより精細にピントの確認ができますが、このレンズの場合はα7IIの時と同じく見え方が荒くなりせいぜいコントラストで確認するのがやっとという状況になります。 これ「オールドレンズだから」かというとそうでもなくて、兄弟レンズの「MC ROKKOR-PG 50mm F1.4」などは倍率上げてもしっかりピントを確認できるんですよねえ。このレンズや「AUTO ROKKOR-PF 58mm F1.4」などはやはり古さのせいかこうした傾向は顕著です。こういう見え方からも「MC ROKKOR-PG 50mm F1.4」のレンズの解像度としての順当な「進化」を感じることができます。 <解像度と「味」は別物> ただそのために写りが悪いかというとけしてそうではなく、高画素機での描写が変わってくるものの『味』はしっかり認められるという感じですね。 私にとって肝心なのはその高画素機でどう変わったかということで、今回のブログのタイトルではありませんがその写りがα7IIIでの「ヌケの良さ」などとは違った「精細感が増す」ところ、裏面照射型CMOSセンサーとはいえ画素数&描画エンジンが違って画的にも <α7III≒α7RII>であり、味としてはα7IIの面影を残しているように感じます。 そんなところがなんとなく掴めてきたので、ここ何日かの画像を見ながら検証してみたいと思います。 [柿の木] (f/2, 1/3200, ISO100) これは何度と無くシャッターを切っている柿の木畑なんですが、この木の描写をよく見るとやはり線が太い印象が精細感を伴って...高画素機でその素質がエッジが強いという印象になっている気がします。ボケの中にその旧来の印象が強く出ているのが奥に見える重機(パワーショベル)の描写に見てとれますね^^。 [ススキ野原] (f/2, 1/1600, ISO100) いまだにたくさんのススキがある場所ですが、中央左の大きめの穂にフォーカスしています。いつもこの時間は逆光になるので奥の林とのからみでノッペリとした印象になってしまいます。ご覧のように周辺減光が見られますが、細い枝それぞれの描写を見ても...強めのエッジで細い枝を描く感じ...α7IIの時より精細感を増していますね。 [下鶴馬氷川神社の狛犬(右)] (f/2, 1/250, ISO100) このレンズでこんなに落ち着いた描写を見られるとは思ってもみませんでした(笑)。 光にもよりますがエッジの強さはしっかり認められるし、やはり背景のボケにこのレンズの太い線を抑えた柔らかな感触はとても良いですよね。 [紅梅] (f/2, 1/320, ISO100) そしてこうした画を見ると「元気なレンズ」時代の印象が嘘のようにROKKORを感じさせてくれます。 [クロガネモチ] (f/2, 1/2500, ISO100) こちらは元気な色の出方をしている1枚で、周辺減光が空をいい塩梅におどろおどろしくしてくれてなんとも言えない雰囲気を醸してくれてます。ピントを外れた赤い実がその色を持て余すように「滲み」を感じさせます^^;)。 [マルバルコウソウ] (f/2, 1/1250, ISO100) この日はとても良い光が目について撮影がとても楽しかったのですが、このマルバルコウソウもランプシェードのような殻を素敵に演出してくれました。以前であればMC ROKKOR-PG 50mm F1.4的なイメージです(笑)。 そうして見てくるとこのα7RIIではレンズの素性をしっかりあぶり出してくれているのかなと思うところがありますね...α7IIではこんなに「ROKKOR」を感じさせてはくれませんでした^^;)。 [氷川神社の狛犬(右)] (f/2, 1/640, ISO100) この描写はまさに光のおかげです。 でも不思議です、このレンズにこうした狛犬の描写に見られる「臨場感」というか、ある種「透明感」のようなものを期待したこともないし、見たこともなかったのですからね(笑)。 [ジョウビタキ] (f/4, 1/320, ISO100) 最後の一枚はオマケですが、Cobbyが草の中の匂いを嗅ぎ回っている眼の前にパタパタっと舞い降りてきたジョウビタキの♂です。びっくりしましたねえ、ほんと目の前だったので身動きできなくて植え込みをチョンチョンと移動して木の影になったところでおもむろにカメラを構え、木の影から少しカメラを出して撮った1枚です。野鳥(渡り鳥)の季節だということは分かっていますが、こんな人の多い都市公園で目にするとは...どうせなら私の大好きなメスに出会いたかったですが(笑)。 さていかがでしたでしょうか...α7RIIによってこのレンズの本来の「ROKKOR」的な描写が認められるようになってあの「元気な」という強烈なイメージが影を潜めてしまったのは残念ですが、それこそアップグレードした描写を突き詰めることができるようになった気がします。 次回以降にα7RIIのWBの設定をケルビン値でコントロールして5,000k~5,500kあたりで「元気さ」が出るかどうか試してみたいと思います(笑)。 今回は少し時間をかけて「AUTO ROKKOR-PF 55mm F2」の秘めたる実力を探ってみるという話題でした、新たな魅力をどんどん掘り起こしたいですね...^^。 2021年1月 氷川神社・文化の杜公園ほかにて (α7RII + AUTO ROKKOR-PF 55mm F2) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.01.12 01:20:52
コメント(0) | コメントを書く
[MINOLTA AUTO ROKKOR-PF 55mm F2] カテゴリの最新記事
|
|