テーマ:カメラ・・・四方山話(735)
前回いま一番のお気にの入りレンズ「AUTO ROKKOR-PF 55mm F2(後期型)」での散歩撮をご覧いただきましたが、今回は予告通りこのレンズの前期型を使って、果たして出てくる画像が同じなのか違うのか見てみようということにしました。
まずはレンズの見た目から... [2本のROKKOR] 右が「前期型(1959年~)」そして左が「後期型(1961年~)」です。<MINOLTA Manual Lens List>によると後期型には3タイプあり私のものは最初の後期I型のようです。 絞りが前期型はf/22まであり、後期型はf/16までです...そのうえで前期型はf/2~f/5.6まで中間絞りもセットできるようになってます、細かな被写界深度の調整ができるんです^^。 軽くなっていった後期II型・III型と違い上の2つのレンズは重量も全く一緒(約260g)で、構造的に(プレビューレバーを含め)絞りだけが違うように見えます。 でも上の二つのレンズを見ていただくと分かりますが、前玉に写る青い光の色具合が微妙に違いますよね、右(前期型)の方が青の中に『緑』が強いんです。 そこらへんをちょっと比べてみました... [前期型] [後期型] こうして個別に見てもやはり「前期型」の方により緑が濃いのが分かります。 これってもしかして予想に反して「前期型」の方がAC(アクロマティックコーティング)の残存程度が強いのでしょうかねえ、それとも緑が強くて青っぽく見えるんですかねえ?...今回初めてこうして色比べをしたのですが、だんだん自信がなくなってきました(笑)。 そんなα7IIでは「元気なレンズ」と呼んでいた「前期型」の写りを見ていくことにしましょう... [サルスベリ #1] (f/2, 1/800, ISO100) これカメラがα7IIIだから黄色みが強いというわけではありません、午後の西日があたっているんです(笑)。ですから赤も少し強めに出てますね、それにしてもこの柔らかな描写はどうでしょう...前後のボケもとても良い感じです。 [トレニア] (f/2, 1/200, ISO100) ここまでの2枚が比較的天気の良い日の撮影でした、どうでしょうかねえ...「元気なレンズ」というまではいかないまでもMC ROKKOR以降に通づるはっきり目の「色」は感じられますよね。 [タマスダレ] (f/2, 1/200, ISO100) 近接の開放ですから(インフォーカスの)主役から外れるとすぐに大きくボケ始めます。曇天だけにやはり「線の細いAUTO ROKKOR」系からは外れた線の太さを感じます。 [サルスベリ #2] (f/2, 1/250, ISO100) これは前に「後期型」でも見た同じ絞りのアングルですが、時間の経過とともに花が寂しくなってます。でも相変わらずこの開放での背景のボケに見るこうした臨場感はとても素敵ですね。 [アベリア] (f/2, 1/320, ISO100) 背景が暗くなってもあのベールがかかったような柔らかなボケでそれほど汚くなりません。 [Cobby] (f/2, 1/640, ISO100) 以前からこうした(光の)状況下ではあまりこの絞りでCobbyは撮らなかったですが、やはりどことなく描写が落ち着いてきちゃいます^^;)。でもCobbyに見られるように柔らかいながらも線の細さを感じさせず、開放からシャープなメリハリを感じます。 [Slide] (f/2, 1/1600, ISO100) なにせこの日は(雨でもない)日曜でしたのでご覧のように散々見てきたすべり台も人でいっぱい^^;)。あまりの周辺減光に端の人が暗くなりすぎてLightroomで少し周辺を明るくしました。 やはり色の出方はハッキリしていますがその描写はとても自然で好感が持て、なおかつ背景の建物に見られる柔らかさはROKKORならではのものかと...^^。 [サルスベリ #2] (f/2, 1/1000, ISO100) もうこの一枚まで来ると光にもよりますが、「元気なレンズ」とはもう言えません(笑)。中心のインフォーカスの花に見る慎ましやかなシャープさと背景のバランスは前回のMC ROKKORに通づるものを感じます。 [マルバルコウソウ] (f/2, 1/125, ISO100) こういう小さな花に焦点を当てる開放はご覧のようにとても柔らかさを強調してきます。けしてフォーカス面が特別柔らかいわけではなくシャープに出ているんですが「いらぬ強調」が全然ないんですね、そこに近接ですからすぐにアウトフォーカスの独特な柔らかい背景が加わりますから「ソフト感」満載になるんですねえ^^。 いかがでしょうか...私的にはこのレンズのα7IIの時の印象があまりに強くて、こうしてα7IIIの描写を見ていると同じレンズとは思えないほどです(笑)。たしかに良い天気の下でのものが少ないので余計にそう感じるかもですが、ROKKOR的な描写は確かに見て取れます。 今回改めて「後期型」と比較してこのレンズを使ってみればその描写の差をそれほど強くは感じることがなく共通点を見ることの方が多かったですね、引き続きいろんなシチュエーションで確認していきたいと思っています。 そうしたなかで今回のテストでは「後期型」に感じるインフォーカス及びアウトフォーカス含めての空気感・臨場感での優位性が「前期型」に比べ微妙に上回っているなというところを覆すほどではなかったのは事実でしたねえ...^^。 2021年9月 文化の杜公園ほかにて #α7III #AUTO ROKKOR-PF 55mm F2(前期型) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.09.04 01:00:12
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