テーマ:カメラ・・・四方山話(751)
★ 最新タムキュー[F072]はたしかに優れモノの巻 ★
さていよいよPart 2では「90mm F/2.8 Di III MACRO VXD」のCobbyとの散歩撮での分析記事となります。「F072」を”α7IV”に付けると約1.3kgでちと重たい感じ、そしてレンズそのものはコンパクトな部類ではあるがSIGMAの105mmと同様にフードを付けるとさすがに長さも出てきますね。 そして今回どうせならとα7IVだけでなくα7Sでも使ってみたので両機での作例をお見せすることができますので乞うご期待です。 2日間2台のカメラでこのレンズを使って感じた点から最初に2つだけ記しておきたいことがあります... [1] 先日の室内撮りまでのファーストインプレッションでお伝えしていた「フォーカスリングの感触」について若干訂正の意味を込めて書き留めておく必要が出てきました。 確かにクルクルとても軽く回って「なんじゃこりゃ」と思いましたが、2台のカメラにて”DMF”を有効にして使ってみるとそのフォーカスリングの回転に対するレスポンスがとても快適であったことです。SIGMA(105mm Macro)の方はトルク感はTAMRONより上なのですが、その反応は比較するとちょっと「もたつく」と感じられるかな...それゆえ余計にTAMRONのフォーカスリングの回転の”軽さ”が悔やまれます^^;)。 [2] 前評判のAFの「爆速」とか「マクロでは革命的」というほど凄いとは感じられなかったこと...ただし”DMF”と組み合わせての撮影がとても快適だったことは間違えなくリングのレスポンスの良さに依るものかと重ねて強調しておきます^^。 AFは確かに正確&スムースではあるが、それでも「スッ」というよりは「スーゥ」という感じかな(笑)。そして最近のマクロ”SIGMA 105mm ART”よりAFの迷いも少なくストレスがなかったこと(けして無いわけではない)も事実。多分AF速度に関してはカメラ本体にも依るのだと思います、α7Sよりα7IVでの方が体感的に若干速いと感じましたので、より上の機種ではもしかしたら「爆速」を体感できるのかもしないですね。 □ 実際の作例を交えてこのレンズの味を探ってみよう それではいよいよ描写の方を見ていきましょうか、まずはマクロならではの接写における描写をご覧いただきます。 [空蝉:α7IV] Cobbyとの散歩でよく見つけるセミの抜け殻です、最短近くでの撮影はやはり目にピントを持っていくのが大変...一眼レフよろしくシャッター回数がかさみます、次は連射かなあ(笑)。 [ニラ(種子):α7S] SIGMAのようにキレッキレではなくそこはかとない温かみみたいなところが好きなポイントです。でも淡い大きな玉ボケが端っこの方へ行ってもきれいな円を描いているのには驚きです。 [クレマチス:α7S] [クレマチス:α7S] もうかなり日が経って産毛の芯が赤くなりだしてます、その産毛に見られる一本一本の解像感が素敵ですね。奥の葉の消えゆくようなボケがまた朧げという感じでGoodです。 2枚目の黒背景もまた植物見本かのようで面白いのでは...^^。 [ハナミズキの紅葉:α7IV] 被写界深度がはっきりと分かる一枚です^^。太・細の葉脈が心地よい精細感で描写されてますね。 [ヤブミョウガ <f/5.6>:α7IV] 暗い氷川の森での久しぶりのご対面です、ピントピークと言える<f/5.6>でのキリッとした描写はとても気持ち良いです。開放のボケを背景にしたものよりこの絞りの方がなぜか背景からの浮き上がりが自然でした。 ************************************** 続いては「F072」のボケが主役とでも言えるちょっと気になった描写をいくつかご覧いただきます。 [レッドロビン:α7IV] まさに最短での開放は老眼にはもう無理(笑)。 真ん中の小さい若葉にフォーカスを持っていきたいのですが、結局3枚中この根本への一枚がようやくの感じです...マジ連射してみよう^^;)。 でもこの一枚の見どころは背景の消え入るような素敵なボケ、光によるバリエーションもこれから楽しみです。 [ヒサカキ:α7IV] こちらは小さな花が咲く前のヒサカキですが、やはり暗いながらもこのボケはいいなあ...ファインダーでボケ加減を確認しながら絞りを変えて決めた一枚です。 [サルビア:α7IV] 現像時もう飽和寸前の赤で彩度を少し下げました、その甲斐あって素敵な一枚に。なんかこれ「272E」で見慣れたボケの感じで懐かしさを感じます...やはりタムキューですね。 長く「272E」を使ってきましたが、ここまで見てくると12枚の絞り羽根のおかげかタムキューらしさの中にもボケの質感に少なからず違いを感じます。 [ベニバナマンサク:α7S] インフォーカスの解像感の高い描写を期待しながら背景に気を使いファインダーにて確認しながらあえて開放より少し絞って表情を豊かにしてみました...そんな楽しみもマクロの定石の一つですよね^^。 ************************************** 続きましてその他の様々な被写体におけるこの「F072」の描写のバリエーションをご覧いただきましょうか... [外壁のシダ] [狛犬:α7IV] [氷川神社境内:α7IV] 石像などの質感描写を見てもシャープながらSIGMAのようにちょっとクールな感じの描写ではないところが好きかな。 [キラリ☆ふじみ:α7IV] 午後4時ごろの室内の明かりを強く感じ始める時間帯の一枚、外光とのカクテル加減の窓際のベンチが素敵に描写されてます...そうした光を感じる空気感も良いのではないでしょうか。 [Watch Tower:α7S] 開放からf/11まで撮りましたがこのレンズ逆光にはとても強そうです。 時計塔がまともに見えるようかなりプラス補正をかけたので白飛び確定ですが、よけいなフレアやゴーストはなし。 [ハナミズキ:α7IV] 弱い光の下でのハナミズキの紅葉がしっとりとした素敵な描写をいただけました。写真下部に見られる奥へ向けての葉のボケ方の柔らかさが素敵です。 [市役所:α7IV] [同上:Luminar 4にて] さて建築物ですかね、上の一枚が素の描写と言えばよいのか見た目に近いものです。大きなガラス面に写る空の様子が弱いながらも面白かった一枚。 それを”Luminar 4”で最終処理をしたのが下の一枚です。さすがにAI & Sky Enhancerですね、窓を含め素敵なメリハリを与えてくれます(大きくしてみれば壁面のモアレは消えます)...何で撮ったかほんとわからなくなりますが(笑)。 [シャクヤク:α7S(APS-Cモード)] シャクヤクは種子がまだまだきれいなので根気よく粘って撮ってます(笑)。こういう一枚は”Luminar 4”のお得意分野で素敵な一枚に仕上がります。いろんなレンズで撮りましたがこのレンズにかかると入り乱れている茎や葉そして花がスッキリと見通しよく描写され文字通り抜けの良い空間となり”Luminar 4”の加味するエッセンスが際立ちます。 ************************************** そして最後はうちのCobbyの描写で締めましょうか... [Cobby #1:α7IV] [Cobby #2:α7S] それぞれ時間と光を感じさせる描写となってます。特に上は歴代のタムキューらしい一枚ですかねえ。下はα7Sらしい優しい一枚と言えるかな(ピントが鼻へ行ってしまったせいもあります)^^。 昔からタムキューでのCobbyは素敵な写真が多いのですが、これからも期待できそうです。 [Cobby #3:D700+272E使用] これ少し前にD700に「SP AF90mm F2.8 Di MACRO1:1(272E)」を付けて撮った上のものとほぼ同じアングルでの一枚です。 古いD700と20年前のタムキューのコンビでもこの素敵な描写が可能ですから驚きですよねえ。 光の違いがあるとはいえ(曇り空でのWB:太陽光ゆえ少し青みが強いですが)正直今回の2台のカメラを使った「F072」のCobbyより頭一つ抜けてこちらの一枚がお気に入りです^^;)。 ただし新・旧のタムキューの背景のボケ目をやるとさすがに新しい「F072」の方に品を感じるというか上質なボケを見る思いですね。 まあこれだから昔からタムキューはやめられないのでしょうね(笑)。 ************************************** ◯ この2日間の「F072」の操作感について はじめに書きましたがAFは「爆速」とまでは感じませんでしたが、迷いは「ほぼ」無くてSONYの”DMF”を使うことでのAF操作感はとても便利・快適で純粋に「MFに切り替え」を使う機会はありませんでした。 当初”TAMRON LENS Utility”にて[フォーカスセットボタン」の設定を[フォーカス/絞りリング機能切り替え]と「フォーカスリング」の設定を[リニア]及び回転角を[450°]としていました。 しかしフォーカスリングが軽く回って「絞り」にした時にちょっと触れただけで絞り値が変わってしまい慌てることもありました。 ですが[AF + DMF]の快適さから絞りをフォーカスリングに活かせる「フォーカスボタン」の設定はそのままにして、「フォーカスリング」の設定を[リニア]のままリングのレスポンスの良さを活かして回転角を[540°]にセットし直しました。 これで絞りリングやスイッチ類の多い純正・SIGMAを凌ぐくらいこのレンズを楽しめるものに出来そうです。 ちなみに二日目の「このレンズ+α7S」でのほぼ2時間ほどの散歩撮で満充電[95%]のバッテリーを入れて出たのですが、帰宅したときのバッテリー残量は[14%]となってました...撮影枚数はたかだか60枚程度でした。 α7II時代の2018年2月に購入したNP-FW50の「互換バッテリー」もそろそろヘタってきたと見えて充電しても100%充電に至らずこうしたレンズのAFをフルに使うとすぐにバテてしまうようになりました(T_T)。 そろそろ中古のα7Sに付いてきたの純正バッテリー(2個)をしまっておいた元箱から出して使いますかね、あと10年くらいは使いたいと思っているので(笑)。 さていかがでしたでしょうか...SIGMAの全域にわたりシャープといわれるレンズと比べそれほどクール感はなく逆に温か・柔らかな感触が感じられ、初の12枚絞りとなりインフォーカス及びボケ描写のバランスと質の向上が認められました...とはいえ綿々とした歴代タムキューの伝統が生きた描写であることは間違えないところと言えそうです。 唯一操作性でのフォーカスリングの回転が軽すぎる点だけは絞りにしたときに撮影に支障が出るほどですぐにでもなんとかしてほしいポイントでしたねえ^^;)。 それ以外はSONY純正・SIGMAの機能スイッチ・リングの多さに負けない快適な撮影が可能なレンズと言えそうです。 今回はインプレッション2回目としてこれからの撮影が楽しみになった新しいTAMRONの「90mm F/2.8 Di III MACRO VXD」の実践分析でした...^^。 2024年10月 キラリ☆ふじみ・雲居の瀧ほかにて #α7IV #α7S #90mm F/2.8 Di III MACRO VXD お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2024.11.03 14:00:57
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