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2015/10/06(火)04:00

鈴木藤三郎「米欧旅行日記」12 8月2日、3日 スクリツプル精製糖工場見学

鈴木藤三郎(1675)

八月二日 晴 日曜 午前九時三十分(独乙(ドイツ)人(じん))ドクトルウヰルト氏が 来り、氏は博(はく)言(げん)[言語学]博士で藤山(ふじやま)君の旧友なりと云(い)ふ。是(これ)より同氏案内にて当港山(やま)の手(て)の勝地(しょうち)[景色のよい所]を散歩見物して、亦(また)独乙(ドイツ)倶楽部(くらぶ)に立寄(たちよ)り、是(これ)より亦(また)市街酒店にてビールを飲(いん)す。而(しか)して午後十二時三十分ヲクスデンタルホテルに帰宿し、ウヰルト氏も是(これ)より帰館(きかん)せり。午後二時より藤山(ふじやま)君(くん)と同行してケーブルカーに乗り、クリフハウス及びストロバスに行(いく)。時に三時十五分なり。亦(また)(ゴールデンゲートパーク)(公園)を見物せり。此(この)日日曜なるを以(もっ)て遊客群参(ぐんさん)大(おおい)に賑(にぎ)あへり。午後六時帰宿せり。 八月三日 晴  午前(ごぜん)九時(じ)、星野(ほしの)清(せい)左(ざ)衛門(えもん)氏(し)及び本田(ほんだ)輝(てる)雄(お)氏が来(きた)り、  兼而(かねて)約束のスクリツプル氏の精製糖工場見物の為(た)めケープルカーに乗りて発す。同工場に至りて、職工一人案内にて工場内部を熟覧せり。 (蒸(じょう)気(き)罐(かん)径(けい)七尺(しゃく)、長さ二十八尺(しゃく)もの三十八個  気械は凡(およそ)四百馬力        一台    無気(むき)罐(かん) 大小          四個 分離器 大小         三十六    骨(こっ)灰(かい)〔動物の骨を、脂肪・にかわ質を脱してから焼いて作った灰〕再焼(さいしょう)竈(かま)    四十四焚(たき)口(ぐち) 濾過器(ろかき)             四十八個    角(かく)糖(とう)器械(きかい)              一台 ヱーアポンプ          大小四台    溶解(ようかい)釜(がま)   蔵内(くらない)に       三個あり 此外(このほか) 一切整頓せり (  

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