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2019.04.15
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共働き家庭に中学受験は無謀なのか? 管理職の母が、「辞職決意」の果てに気づいたこと

“親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづっています。

 中学受験は「親子の受験」であるため、親の出番が否応なく多い。例えば「塾への送迎」「お弁当作り」「塾との面談」「保護者会」「志望校の学校説明会」などが挙げられるが、これに加えて「勉強の伴走」「子どものスケジュール管理」なども日々の重要な仕事となる。
 
 共働き家庭の場合、この“親のサポート”というタスクをどう夫婦で分担していけるのかが、非常に大きな問題になってくるのだ。
みゆきさん(仮名)一家の場合はこうだった。息子の悠人君(仮名)は小学4年生から中学受験塾に通い出した。みゆきさんはあるIT企業で勤続20年。会社は「女性活躍推進施策」を掲げ、女性管理職を増やす方針だとかで、みゆきさんに白羽の矢が立ったそうだ。
 
 みゆきさんは日々の業務に管理職研修が加わり、精神的には一杯いっぱい。定時に帰れるなんてことは、夢のまた夢になったという。
頼みの夫・隆さん(仮名)も、ちょうどその頃午前様帰宅は“当たり前”という部署に栄転したばかり。夫婦のワークライフバランスは中学受験参入と同時に危うい綱渡り状態になってしまったそうだ。
 
 みゆきさんは当時のことをこう振り返る。
 
「私たち夫婦としては、ずっと共働きということもあり、親のサポートなしには乗り切れないという“ウワサ”の中学受験には、どちらかと言えば消極的でした。ところが“小4の壁”と言われている学童問題に見事にぶち当たってしまって……。とにかく、悠人を長時間預かってくれるところを探さないといけなくなり、そうなると、『安心安全の場は中学受験塾』という結論になったんです」
悠人君は嫌がらずに受験塾に通うようになったものの、なかなか成績は上がらない。一度やり始めたのならば、それなりの成果を上げるのは当然という意識が強いみゆきさんは、自己嫌悪を募らせていき、家庭もドンドンと暗くなっていったという。
 
「オーバーワーク気味の私は、専業主婦のいるお宅のように勉強をみることはできないし、ましてや夫に頼むことも無理。塾の保護者会で、先生から『(大量にある)プリント管理は親の仕事です』と言われると、サポートがうまくできない私は“ダメ親”なんじゃないかと心底落ち込み、一時は辞職も真剣に考えたんです」

プリント管理は「塾のための塾」に任せた
 
 しかし、みゆきさんは結果として、辞職せずに中学受験もやり遂げた。
 
「5年生の秋頃でしたかね? 悠人に聞いたんです。『ママ、仕事辞めようかな?』って。そしたら、悠人が言うんですよ。『俺のせいにすんなよ!』って……。『ずっとプライド持って続けてきた仕事を簡単に手放すの? ママにとって仕事ってそんなもんなの?』って言われて、気が付きました。共働きで、確かに悠人には寂しい思いもたくさんさせてきたとは思うんですが、でも息子はこんな母親のことをずっと応援してくれてたんだなって。だったら、私は仕事を辞めずに、悠人のサポートもできる限りやるんだ! って決意しました」
 
 それからみゆきさんは、中学受験をマネジメントすることにしたそうだ。
 
「今まで、『母親だから、これをしないといけない、あれもやらないといけない』って勝手に自分を縛り付けていました。例えば、栄養価のあるお弁当が作れないとか、そういう細かいことも含めて、ドンドンと自分をマイナス評価していることに気が付いて、まずはその思考をやめることにしたんです」
 
 そこで、みゆきさんはアウトソースを最大限利用するという方針に切り替えたという。すなわち、塾弁は作らず、軽食を買うお金を悠人君に渡して、帰宅後、一緒に軽い夕食で食卓を囲むといった具合だ。また、みゆきさんが自分を責め続けたプリント管理については、悠人君を「塾のための塾」に通わせること(悠人君自身が希望したという)で対応。そこで「親の仕事」と言われた、プリント整理や苦手問題の補強をじっくりとやってもらったそうだ。
 
 一方、人に任せられない塾の保護者会については、もし仕事で出席できなかった場合、「後日、塾に電話をして内容を確認する」ことにしたという。要は、自分でなければできない仕事と、ほかの人でもできる仕事に分け、その優先順位を確認。うまくいかない部分は原因を分析し、都度、柔軟に考えるという作戦に切り替えたという。
 
「私って完璧主義の気があって、なんでも自分がやらないと気が済まなかったんですね。それで、今までバランスを取ってこられたから、なおさら中学受験も絶対に自分だけで大丈夫! って思い込んだんです。でも、現実はオーバーワークになって、思うように動かなかった。それで、全部をなかったことにして、辞職まで考えちゃって……。もっと、できない自分を認めて、協力者を募ればよかったと思います」
 
 
一方で、父・隆さんは何をしていたのか?
 
 みゆきさんの覚悟が決まってから、不思議なことに、まず夫である隆さんの変化が見られたそうだ。休みである土日は隆さんの当番。学校説明会への出席、塾の送迎、模試の付き添い、その後の見直しなども含めて、全面的に協力してくれるようになったという。隆さんは息子と二人だけの「男同士」の時間を特に大切にしていたらしく、これが悠人君にも好循環になっていったと聞く。
悠人君にこの頃の印象的な話を聞いたら、こういうことを教えてくれた。
 
「父は時々、僕が好きな車両基地とかに連れてってくれたりして、息抜きを率先してやってくれました。母はそういうことが苦手なんで……(笑)。あと、父はエンジニアなんですが、街で父の会社の製品を見つけると、説明してくれたりして、単純に『エンジニアってカッコいいな』って思いました。父が『今やっている学習は将来的には、こうつながっていく』みたいな話もしてくれたので、その時はまだよくわからなかったんですが、受験勉強は自分にとって意味があるものなんだってことだけは、わかっていたと思います」
 
 共働き家庭の方が、筆者に「子育て人生の中で最大の負荷は中学受験」と教えてくれたことがあるが、負荷はあるものの、良いこともたくさんあると思う。みゆきさんはこう言っていた。
 
「今、私は無事に管理職として業務を続けているのですが、部下たちから『丸くなった』って言われるんです(笑)。中学受験を通して、『自分が! 自分が!』ではなく、皆で協力して、どうにかやっていくってことが大事だって心底わかりました。それが中学受験の効能の一つです。もちろん、家庭内の空気もすごく良くなったと自負しています」
 
 中学受験に向かっている共働き世帯は、常に時間と体力の葛藤だ。その配分は家庭ごとに違うのは明白だが、問題ができたら、その都度、臨機応変に考え、頼れるものは存分に頼り、軌道修正していくことが成功への道筋なのかもしれない。悠人君は現在、中学2年生。あこがれ続けた名門校の鉄道研究会部員として張り切っている。













Last updated  2019.04.15 21:38:05

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