カテゴリ:思想
5月16日(木) 山桝忠恕先生のイギリス滞在記 「東も東西も西」師弟友情通信――(上)(183) 同文舘発行(昭和41年)山桝忠恕著「東も東西も西」より (注)わたしは、39年40年に山桝ゼミに在籍しました。 「栄光の都ロンドンの明暗」(10) たとえば、スパンク(spank)と呼ばれる体罰にしたところで、英国の母親は、子供のあたまをたたかないで、おしろをぶつという話を耳にするや、単に平手打ちを食わせる個所だけを加減しさえすれば、それでもう一廉(ひとかど)の英国風の叱りかたにでもなれるかのように、いとも簡単に早合点をしてしまいがちな傾向というものが、見られています。そして、たしかに同じたたくにせよ、個所を変えるだけでも幾分かはましになりましょう。しかし、それかといって、逆さまにぶらさげて、おしりをたたきさえすれ ば、もうそれだけで英国風の叱りかたに合致するかのようにお考えの向きがあるとすれば、その人は、もののうわべのみを自己流に真似ることをもって事足れりとする浅墓さきわまる御仁であるということになりましょう。彼我(ひが)の差は、たたく個所のいかんにあるというよりは、叱るときの親御さん自体の精神構造の異同にこそあると申さなければならないからです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.05.16 07:12:41
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