カテゴリ:思想
5月18日(土)
山桝忠恕先生のイギリス滞在記 「東も東西も西」師弟友情通信――(上)(185) 同文舘発行(昭和41年)山桝忠恕著「東も東西も西」より (注)わたしは、39年40年に山桝ゼミに在籍しました。 「栄光の都ロンドンの明暗」(12) ただし、そうは言うものの、この国の母親たちが、子供らに、ことのほかきびしく叩きこもうとしている二、三のことがございます。つまり、自分勝手な振る舞いを禁じ、なにかにつけて親の承認をあらかじめ受けさせることがそれであり、また人のものと自分のものとのケジメをハッキリとつけさせることがそれであります。こまかなことに無闇矢鱈と神経をとがらせない反面、最も肝腎な点だけは、やはりしっかりとおさえているなァという感じが致します。 デパートあたりで、よく見かけるのだが、子供が店の商品に手を触れとすると、 「それは、お前のものではありませんでしょう?」と、かならず注意をする。買い与えるさいには、 「さあ、これで初めてお前のものになったのですヨ」と、所有権移動の事実をハッキリと飲みこませながら品物を手渡してやる。愛情と教育とを伴った本当の 意味での躾というものを、この国の母親たちは心得ているようです。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.05.18 07:19:12
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