カテゴリ:思想
5月24日(金) 山桝忠恕先生のイギリス滞在記 「東も東西も西」師弟友情通信――(上)(191) 同文舘発行(昭和41年)山桝忠恕著「東も東西も西」より (注)わたしは、39年40年に山桝ゼミに在籍しました。 「栄光の都ロンドンの明暗」(18) この国というのは、もともと、たいへんな父長制度の国ですが、それだけに、この国の父親には、羽根を拡げて雛鳥たちを暖かく抱きかかえ外敵からこれを懸命に護ってやっている親鳥の姿にも似た、頼母しさと甲斐甲斐しいさとを窺がうことができますし、見上げる子供らの青い瞳にも父親への信頼感と満足感とが、ありありと現れています。いつも申し上げるように、英国の一般家庭は、物質的には、きわめてつつましい。食べ物にしても、単調そのものです。それでなぜ退屈をしないのかと、不思議に思えてくるほどに、娯楽や遊びの種も乏しい。しかし、それでいて、子供らが、いっこうに欲求不満のイライラをおこしそうにないというのも、恐らくは、両親の、この精神的な暖かさのしからしめるところでありましょう。見ているわたしには、♪狭いながらも、楽しいわが家ァ…♪という歌の文句が浮んできたのでした。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.05.24 07:38:31
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