カテゴリ:俳句
7月6日(土) 現代俳句(抜粋:後藤)(92) 発行:昭和39年5月30日 山口誓子(1) 流氷や宗谷の門波荒れやまず 少年時代を過ごした樺太の印象によるものです。海峡の波を「門波」と言ったのは誓子の造語でしょう。おそらく連絡船の上での蝕目の景でしょう。「宗谷の門波」という中七の強く張った語の調子が、「荒れやまず」という座五とよく照応しています。 おほわたへ座うつりしたり枯野星 北方の景観でしょう。枯れ野の上に現れた星座が、時刻の推移につれて大洋の方へ移動したのです。「座うつりしたり」の中七がおおらかで巧みです。星座の移動ですから、「座うつり」のことばがぴったりしています。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.07.06 06:57:48
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