内村鑑三「一日一生」より 世論と神意
6月10日(月)内村鑑三「一日一生」より(注)文語は口語にし、意訳しています。また聖書の聖句にも、わたしの解釈的なものが含まれる場合があります。お手元の聖書でご確認してください。また、ここに記載されていることは、すべてわたし自身(後藤瑞義)に向けてのことです。世論と神意 世論は神様からの声だと思ったら大間違いです。神様の声はつねに世論に反対します。昔の預言者はことごとく世論の反抗者と言ってもいいでしょう。人類とはそもそも何者でしょうか。聖書にいわく「主天より人の子を望みて、悟る者、神を研(あず)ぬる者ありやと見給いしに、みな叛き出でてことごとく腐れたり、善をなす者なし、一人もなし」と(詩篇十四篇ニ、三節)。神様に叛き神様より去った人類の世論は神意をつたえるものではありません。私は、神様の言葉であります聖書に耳を傾けて、悪人が多数占める社会の世論なぞには従いません。(注)以上は、「内村鑑三所感集」(岩波書店)よりの転載です