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迷える旅人の筆耕/came1002のテレビドラマ観賞

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2024.09.24
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■「海のはじまり」(フジ月9ドラマ)とは何だったのか?
大学生だった月岡夏は就活期に至り、南雲水季から「中絶同意書」にサインさせられた挙句、「好きな人が出来た」と別れを告げられ、その七年後、彼女の葬儀に参列。そこで六歳の海に出会い、この子が水季の産んだ自身の娘であることを水季の母、朱音に告げられます。で、夏は愛する恋人の弥生がいる中、海の父親になれるのか否かに悩み葛藤。結局、弥生との別離を選択。周囲の善人たちに甘えまくり、シングルファザーという最悪の道を歩むことになる夏。学生時代以来の狭い安アパートでの娘との暮らしを選択した夏。そもそも常識的には、単身用アパートでの二人暮らしは契約違反であり、大家としては追い出し案件。単身アパートでは子供の存在は騒音の元であり、迷惑。やはり、常識的に考えれば、そのまま、朱音(水季の母)のいる小田原の実家暮らしが最善手。次善手が弥生と結婚、マンションに移転しての三人暮らし。または、夏の実母、月岡ゆき子に依存するという手もあった中で、夏の悪手(何時までも周囲に甘え続けられる訳も無く、将来的には必然の敗着手)は何故に生まれたのかを考えて見たいと思う。
河童には言い伝え(伝説)があります。江戸時代、一匹の河童が人間に捕まって見世物小屋に売り飛ばされた。そして、世話係の不手際で頭の皿の水が枯渇して死んだ。以来、河童は人間に捕まらないよう亀に擬態した。人間が近付くと頭と手足を甲羅に引っ込めて亀になった。それが河童の進化の形。その擬態のもともとの形が「アカウミガメ」だった。甲羅の色はピンクに近い赤色。そんな「アカウミガメ」が補食されるのを避ける為、目立たぬよう更に進化して甲羅は海色の青色になった。これが「アオウミガメ」。で、減塩(医者の指導?)で塩水が苦手な河童が淡水(川)に住むようになり、これが「ミドリガメ」。緑色は妖怪河童の最新形。――海は、河童の原初(先祖返り)の形。海の背中には、まず、ピンク色(赤)のリュック(図書館に行く際のリュック)。そして、小学生になると「アッシュブルー(青)」のランドセル。このランドセルの色は水季ではなく、海自身が選択。海は、ピンクから青色(ネイビー系)という形で、背中の甲羅(リュック、ランドセル)を変えている。更に、弥生はピンクのイルカを海にプレゼント。イルカは、アカウミガメ、アオウミガメ時代の友達。
そして、水季と手を繋ごうとして拒否された図書館勤務の津野がいた。津野としては「好きだから手は握れます」と言われていたのでそうしたのだが、見事に欺かれた。「夏君より好きな人が出来たので別れよう」と言われて別離させられていた夏に続き、津野もあっさりと水季に騙された。妖怪小田原河童の水季、恐るべし。あれは、結局、海を間に挟まないと繋がらない関係であることを津野が悟った哀しい場面。で、二人の出会い当初(特別編)、水季が津野を誑(たら)し込もうと彼を待ち伏せして靴紐を結んでいますが、その靴色が日本の伝統色の「白緑(びゃくろく)」。これは進化した河童の甲羅の色。そして、水季は津野との初デート(?)の際、手足にスカイブルー(青色)のマニキュアを施しています。で、最終話では、夏が日曜出勤から帰宅する際、遠目には黒色に見える濃緑色のハンドル付きバックパックを背負っています。川に上ったミドリガメの甲羅の色は、例えば「ミシシッピアカミミガメ」の場合、明るい緑色から成長するにつれて黒色に変化します。海の父親を演じようかと決意した夏は、大人のミドリガメになったことを暗示しています。――「海のはじまり」とは、例えば、水木(水季?)しげるの「妖怪道五十三次」第一景の「小田原川越し河童」の妖怪世界を描いた物語。人間共同体世界、即ち、世田谷区経堂<共同>の安アパート(学生アパート)に暮らす夏でしたが、彼もまた、私たちには理解不能で、人間とは真逆な感覚の持ち主の住む河童世界に入ったということ。これは、今日の多様な時代にあって、何人の生き方も許容し合って生きようというメッセージなのか。
ともあれ、水木しげるの妖怪河童とは、歌川広重の「小田原酒匂川」、または、歌川芳員の「雨の小田原」(河童に出会った男が驚いている図。河童の全身は緑色、背丈は人間の半分。つまり、幼児の身長。甲羅を背負い手には水搔き)のパロディーだった。そして、河童のキャラ(性格描写、人物設定)としては、芥川龍之介の「河童」のイメージ。ただ、芥川の河童は小田原河童ではなく、松本市(長野県)と高山市(岐阜県)の県境にある穂高岳の河童の話。で、水季の「季」は会意文字であり、幼児の意もあり。更に、母の朱音の「朱」は「切り株」のことでもあって、ネガティブイメージ。つまり、南雲家とは人間界と考え方が真逆になる河童世界の住人。そんな河童世界に飛び込んだ人間社会の夏の物語ということになります。あるいは、「夏」という名を見て、水季は「夏」を河童世界の者と見誤り接近し子を孕んだのか。
芥川の「河童」世界では、生き様や人生哲学が人間社会とは真逆。女が男を追い掛け回す世界であり、もし女が身籠ると、その父親が女の性器に口を付け、「生まれて来たいか否か?」を問います。で、河童世界になど生まれたくないと胎内の子が言えば、自然に流産してしまうという世界です。そういう世界に紛れ込んだ狂人を芥川は描いています。多様性の時代とは、あらゆる事態を許容しないと生き辛い世の中なのですが、妖怪河童世界から見ると善人面の人間は真逆の「極悪人」に見えるというのが芥川の河童世界。悪人に見えようと好い人はいるし、善人の中に悪党もいるという多様な時代描写が「海のはじまり」のテーマにも見えます。
ともあれ、芥川の「河童」では胎児に生まれたいか否かを父親が問いますが、「海のはじまり」では、母親(水季)が「子」として丸で自立していない夏君という父親に対し、父になりたいか否かを選択させる話になっています。「選択肢を与えることが親としての最大の愛情表現である」と脚本家は断言(水季に言わせている)していますが、それはとても危険な考え方だと思われます。「子」の選択間違いを質すのが正しい親の務めなのだと考えるのが正常なのだと思われます。が、夏君は大人になって黒色のバックパック(甲羅)を背負って通勤します。妖怪河童の世界に迷い込んだ夏君は、間違った道に進もうとしています。海の進む足跡を辿るだけの父親になってエンディングを迎えています。
「海のはじまり」ではテレビ局側に忖度することで利を得ようとしているユーチューバーによる水季擁護発言が目立っていました。が、かつて、文芸評論の神様、小林秀雄は、「批評(評論)とは、畢竟(ひっきょう=つまるところの意)、ある対象人物の名を借りて自身の原体験(原風景とか心情信念哲学など)を語るに過ぎない」と看破していました。嘘吐き三昧で詐欺師的素養を持つ水季の擁護とは、そのまま自身がそういう素養の持ち主であることを告白し、その弁解弁護を述べているに過ぎないという理解も必要。批評(評論)には、書き手(または発言者)自身に、そういう危険が付き纏っていると自戒する今日この頃。……妄想を長々と失礼しました。以上、当方の備忘録とします。







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最終更新日  2024.09.24 20:39:42
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