カテゴリ:劇
「井の中の蛙」って言葉があるよね。
「井の中の蛙、大海を知らず。」が正しくて、荘子の「秋水」の中の一節らしい。 辞書によると、 「狭い世界に閉じこもって、広い世界のあることを知らない。狭い知識にとらわれて大局的な判断のできないたとえ。」と書いてある。 だから、決して良いことを言い表してるんじゃないんよね。 だけど僕は「井の中の蛙」で良いじゃんか!って昔から、度々人に言ってたんよね。 ”僕は生涯日本の外へ出ることはない”なんて事を、ことさらに言ったりすると、不思議がられたりもした。 日本以外の国が好きで、何かといえば、外国のことを語り、外国に行きたがる人たちへの反発だったのかも知れないけど、 昔も今も外国へ行きたいと思ったことは一度もないんよね。 だけど、日本にはいっぱい行きたいところがある。 てゆうか行った先々で、さらに行きたい所に出くわしてしまう。 高速を走ってても ”あっ、あれはこの近くだったんだ!”なんて思って高速を降りて寄り道してしまうなんて事も度々あるんよね~(^_^;) 井戸の外の見えないところは知らないし興味もないけど、この井戸から見えるところは、人より見えてるし好きだって気持ちがあるんよね。 別に国粋主義者というわけでもないんだけど、外国よりも日本にしか興味が持てないんだからしかたがない。 そんな僕の心を奪ってしまった言葉が、おととしのNHKの大河ドラマ『新選組!』の中に出てきたんだ! 川平慈英さん演じる「ヒュースケン」が香取慎吾さん演じる「近藤勇」に日本が開国しなければ、世界から取り残されるってことを説くときに、こう言うんよ。 ”日本には「井の中の蛙、大海を知らず。」という言葉があるだろう”って。 その後、暗殺されそうになるヒュースケンを近藤が必死に先回りして逃がしてやるんよね。 で、別れ際に礼を言うヒュースケンに近藤が訊くんよ ”ヒュースケンさん、さっきの言葉には続きがあるのをご存知ですか?”って。 首を横に振るヒュースケンに近藤は ”「井の中の蛙、大海を知らず。されど、空の高さを知る」”と、ゆっくりかみ締めるように言ってニコっと笑って去って行くんよ。 そうなんだ…、みたいな表情をして近藤を見送るヒュースケン…。 素敵なシーンだったなぁ…。なんか心臓がドキドキするほど興奮したよ! 狭い世界のことしか知らないかも知れないけど、その世界のことについては、深い見識と思いがあるって、そんなイメージが、この言葉を聞いた瞬間に頭の中にポワ~ンと湧いたんよぉ! あとで調べたら「されど、空の高さを知る」の部分は、後に誰かが付け足したものだそうだ。 だから荘子の言葉とは、意味が違ってしまう「井の中の蛙、大海を知らず。されど、空の高さを知る」という言葉は、いわば詠み人知らずみたいなものらしい。 『新選組!』の脚本を担当したのは三谷幸喜さんなんだけど、よくぞ僕にこの言葉を教えてくれたよ。 三谷さんて、ほんとに素敵な人だよな~!(^_-)-☆
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