☆じゃがべぇ～(^_-)-☆

旧車のつわものとか、飛行船のつわものとか、このごろ、つわもの達によく出会うんよね。

でね、実はこの冬、ちょっとした山のつわものに出会ってたんだけど、自分の心の痛手が少なからずあって、書こうとは何度か思ったんだけど書けなかったんだよね。

心の痛手が癒えた頃にはタイミングを逸してしまって、結局書かなかったんだけど、最近、つわもの達に会って”あのおじさんもつわものだったなぁ”って思い出したんだ。

その、山のつわものには２月１１日の「山荘内遭難」の日に出会った。

山荘前のスロープを登ろうとした時、新雪が深くてタイヤが空転して登れなくなった。

この写真のわだちの所で進めなくなったのでバックしたんだ。

で、この場所でチェーンを装着してたら、そのおじさんが大きな犬と通りかかったんだ。

「大変だねぇ！ここはチェーン無しじゃ無理だな。でも、よくここまでノーチェーンで来たもんだ！」って感心してくれたよ^-^

でも、そのおじさんは

「チェーンを着けても、この雪の深さだと亀になるぞ！」なんて事を言っておどすんだよ(>_<)

「亀」というのは車のボティが雪に乗ってしまいタイヤが空転しちゃうことで、それはかなり嫌なわけで…。

確かにこれじゃぁ亀になりそうだよ(^_^;)

「ここから坂の上まで、ならしてやるよ。ちょっと待ってて」と、おじさんは最初からそうするつもりだったみたいで、そう言い残すと、犬と一緒に雪深い山道をどこかに行っちゃったんだ。

程なくドドドドドド！って低いエンジン音を響かせてゴールドのダットサンのピックアップトラックに乗ったおじさんがやって来て、僕の車の前から坂の上の山荘前の間を何度も往復して、その馬鹿でかいタイヤですっかりならしてくれた^-^

そんな訳で、僕の車ランちゃんは山荘前まで行けたんだけど、この時、チェーンが外れてブレーキパイプを破損し、その後１０日間ランちゃんは雪山に閉じ込められることになる。

その時、左前のチェーンが外れてブレーキを壊したらしいって事はすぐに気が付いたんだけど、ここの大雪の状況だと、あとから来る連れはチェーンを持ってないし、ここにたどり着くことは絶対に無理だから電話をしに山荘に入ろうとしたんだよね（そこは携帯圏外なんだ）。

そのことを、おじさんに告げると、おじさん

「あるよ…」←『ＨＥＲＯ』のバーテンの田中要次さん風に(^。^)

「えっ？」と僕←久利生公平風に"^_^"

「チェーンあるよ」←さらに田中要次さん風に^^

「えっ、でも連れの車のタイヤでかいんだけど…」と僕が言うと

「でかいのと小さいのとを常時２種類客用に置いてる」って、おじさんはしたり顔で言ったよ(^。^)

でね”自分は今から用事で出かけるから、表通りから山荘に入るところにあるレストランの看板の下にチェーンを置いておいてあげるから、連れにそう言ってやれ”って言ってくれたんだ。

で、山荘から連れに電話でそのことを伝えて、車に帰ると、おじさん、ランちゃんの左前をジャッキアップして、からんだチェーンを外してくれてた。

「ブレーキオイル吹いてるねぇ」ってブレーキオイルの漏れも、実はおじさんのほうが先に確認してたんだ。

車のジャッキアップしてる左前の対角の右後のタイヤの後には凍結防止剤の１０キロ袋をしっかりと噛ましてあった。

「凍結防止剤はあげるから、山荘前の坂にだけでも蒔いておいたら、帰りには溶けるかも知れないよ」って言ってくれた。

至れり尽くせりだったよ(^_-)-☆

でも実際は、それから雪はさらに降り続き、１０キロの凍結防止剤では、どうにもならなかったんだけどね。

そのあと、おじさんが帰るとき、車の廻りの新雪の上を走り回ってた犬のサクラちゃんは帰るのが嫌みたいで、なかなか車に乗らないのでおじさん困ってたな(^。^)

運転席に居るのがサクラちゃん。

その、おじさんはすぐ近くの山荘に犬のサクラちゃんと二人で滞在してたんだ。

連れが、おじさんに借りたチェーンを装着して無事に山荘に来てから、二人でおじさんに礼を言いに行ったんだけど、逆に招じ入れられてコーヒーをご馳走になってしまった(^^ゞ

山荘の外には薪がたくさん寝かせてあって、まるで信州の山荘みたいで、めちゃ感じよかった。

おじさんは、ストーブの薪を運ぶためだけにダットサンのピックアップトラックを買ったんだって！

「街では、こんなの恥ずかしくて乗れないよ」なんて言ってたけど、キレイにしてて街乗りでも充分映える車だと思ったな。

うちの山荘のオーナーとも知り合いで、うちのオーナーのために薪をたくさん作ってくれたこともあるってことだったよ。

うちのオーナーのことを

「あいつは、いつも夕方４時のバスで帰ってしまう(>_<)。夜、一緒に酒を飲みたいのになぁ…。」ってぼやいてた。

犬のサクラちゃんは椅子に座った僕の横にぴたっとくっついて、人の顔を一生懸命に見て会話に入りたそうだったな。

このサクラちゃんはブリーダーさんのところの不倫でうまれた子でゴールデンレトリバーと何だかの雑種なんだけど両親共とても頭が良くて、このおじさんは血統なんかどうでも良いけど頭の良い犬が欲しかったので”こいつ欲しい！”って思ったんだってさ。

ほんとにめちゃかわいくて賢い犬だったな。

めちゃ顔をなめられたけどね(^^ゞ

玄関のストーブ前でお休み中のサクラちゃん。

おじさんは、薪の作り方や水道管の冬の対処のしかたとかもいろいろ聞かせてくれた。

明治時代に、この地に始めて山荘を建てたイギリス人グルームについても僕より詳しかった。

くそぉ、グルーム研究家を自負してる僕としては悔しかったな(^_^;)

このおじさんは間違いなく「つわもの」だと思うし、やっぱ記事にしとかなきゃね(^_-)-☆

[関連過去記事]
山荘内遭難