270万円の中古住宅(完全リフォーム済み)。
遅くに起きた昨日の午後は、ぼんやりテレビを観ていた。何気なくチャンネルを変えていたら、教育テレビで第71回NHK学校音楽コンクールを放映していた。ちょうど中学生の部だった。子供たちの瑞々しい声にとてもたまらない気持ちになった。今回、全国の参加学校の自由曲で一番多かったのは「春に」という曲だった。作曲・木下牧子、作詞・谷川俊太郎氏の作品だった。審査発表の前に参加学校から選抜のメンバーが壇上にあがり一番人気だった「春に」を審査員の指揮者の指導で歌った。指揮者のアドヴァイスでみるみる調和してゆくハーモニーに感動してしまった。「この気持ちはなんだろう…」と歌い始める歌詞に感情が込められてゆく。子供たちの純粋な魂が震えだす瞬間、みんなの歌への感動がテレビを通して伝わってくる。ちょうど二年前、「ジャパン・ゴスペル・クワイヤー・フェローシップ」という全国から32グループが参加した大きなゴスペル大会が東京の町田市民ホールであった。福島からボクを含め数人参加した。あの粟野めぐみさんのTVOPのメンバーほか七つの団体の混成クワイヤーに入れてもらった。総勢、約100名のまさにMASS(マス)クワイヤーになった。「Jesus Love Me」「I Love You」の二曲をうたった。自分たちの声の響きは自分たちのものではないように思えた。そしてその響きで会場が揺れるのをはっきりと感じた。「I Love You」に流れ込みだすと、身体に電流が走る感覚をおぼえた。そして途中で涙が止まらなくなってしまった。左右、両隣を見たらみんな涙を流していた。それを見たら、余計に感極まり言葉に詰まってしまった。子供たちのコーラスを見て、そんな感動を想い出してみる…。初めて会った人と歌を通して同じ感動を共有できた事を。歌い終わったとき、ボクらは恥も外聞もなく周りの人たちと「ありがとう」と抱きあえたときの事を。音楽の感動と喜びは世界共通なんだろうな。そんなウルウルのなか、チャンネルを替えた。ギター侍の「波田陽区」がでていた。したずみ期間、六年半だと。う~ん、ずうっと観てしまった…。「あんたは、ただ子供たちのコーラスに、おセンチになって いるだけですから!!」と、ギター侍が言ったわけじゃないが…残念!!それから、ぼちぼち部屋から這い出して友だちの店に行った。もう、帰るからというボクは引き止められ続け八時になってしまった…。奥さんが不動産のチラシを持ってきた。「ねえ、これオモシロイよねえ」みると270万円の中古住宅が掲載されていた。じつはその物件、ちょっとボクが気にとめていた物件だった。「ねえ、どこだろうねえ…」所在地と概要からすると友だちの店からそんなに遠くはない。友だちは調子にのり、「買う!!」と言い出した。そりゃそうだべさ。270万円だべさ。「よし、もう今日は疲れた!店閉めて見に行こうぜ!」そのチラシの業者はボクの仕事仲間だ。さっそく連絡してみた。「○○小学校の西って書いてあるけれど、すぐ分かる?」「う~ん、わかんないと思う」「なんか近くに目印になる建物ある?」「う~ん、何にもない…」「近くじゃないの?学校の」「う~ん、2、3キロ…山の方に行って…」友だちはとにかく行くだけ行って見ようと言う。かくして友だち夫妻と子供とボクとで車に乗り込んだ。「一発で探し当てたら、すんげえよなあ」掲載されている物件の写真だけを参考に友だち夫妻の地理感とボクの不動産スペシャリスト(?)的感性を頼りにめぐりあるいた。「やっぱ、わかんねえな…ぜんちゃん電話で聞いてみて」ボクの携帯は圏外だった。奥さんの携帯を借りて電話する。「今さあ、○○小学校のまえにいるんだけどさ…」「○○さん!今どき何してんですか!ん?そっちお祭り? 飲んでるんですか?」「飲んでるわけないだろ!知合いの近くらしいから場所確認 したかったんだけなんだよね」「…というわけで…看板あげてますから…」よし、分かったぞ。看板あがってるってさ。そして数分。「あああっ、これだ!!」「なんか、マムシ出ないだろうか?」「う~ん…わかんない…」土地面積90坪、建坪約19坪、築20年。南向き。リフォーム済み(約300万かけた)。販売価格270万円。いつでも案内しますよ!いろいろあった昨日でした…。