伊坂幸太郎自身も思い入れの深い「重力ピエロ」。それが映画化されるなんて。伊坂ファンの友人と早速観て来ました。
原作ファンとして気になるのは、作品のイメージというか空気感をどれだけ大切にしているかということ。しばしば有りがちなのは、思い描いていた人物像がミスキャストによって崩されてしまったり、不要なオリジナル・エピソードの挿入によって興醒めしてしまったりという展開。要は、小説で得た感動を映画でも同じように得ることが出来るかが気になるのです。幻滅するのが恐いのです。
その点において、結果は……<満点>でした(少なくとも私の中では)。
「春が二階から落ちてきた」
冒頭のシーンから、鳥肌が立ちそうでした。
「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」
涙をこらえるのが必至でした。
「俺たちは最強の家族だ」
もう涙が流れるのは、気になりませんでした。
映画監督をはじめ俳優やスタッフたちが、本当に原作を愛しているんだな、と伝わってきました。「ラッシュライフ」「ゴールデンスランバー」の映画化も楽しみですが、やはり期待と不安は常に同居するものなのですね。
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