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テーマ:お勧めの本(7269)
カテゴリ:本の紹介
読んでいると難しい言葉には著者の注釈があるので、小学校高学年あたりから読める本です。 対象年齢は「小学校上級から」となっています。
BIG ISSUEの8月1日号に著者と被爆ピアノの記事が載っており、興味を持ちました。
ピアノ調律師の著者が、古くなったピアノを修理し色々な施設に寄付する活動をするうちに出会った被爆ピアノ。 著者の被爆二世としての経験、今までの活動の紹介、ヒロシマで被爆したピアノが取り持った縁について書かれています。
Longing/Love(あこがれ/愛)などで有名なアメリカ人ピアニストのジョージ・ウィンストンも、この被爆ピアノに興味を持ち、わざわざ著者の工房に訪れたそうです。 そしてこのピアノの経歴を知り、音を確かめた後、コンサートでこの被爆ピアノを使用したと書いてありました。
全国で被爆ピアノの演奏をすると、「放射線は大丈夫なのか」という心ない心配が主催者側から出るそうです。 放射能、放射線をよく理解していないことが原因なのでしょうが、主催者側がそういいたくなる気持ちも分からなくはないです。
本書を読んでヒロシマの原爆と戦争の恐ろしさを改めてしりました。 高年齢化した被爆者のピアノへの思いも伝わってきます。
本書で紹介されているのはあくまで第二次世界大戦の広島原爆での「被爆ピアノ」ですが、今回の原発事故で新たなる「フクシマ被曝ピアノ」が生まれないことを望みます。
矢川 光則【やがわ みつのり】 1952年、広島生まれ。ピアノ調律師。1972年、浜松市河合楽器ピアノ調律技術者養成所卒、河合楽器製作所入社。1993年、ヤガワ楽器調律センター設立。1995年、矢川ピアノ工房設立。1996年、環境保護の一環として、不要になったピアノを修理し施設に贈る活動をはじめる。2003年、ピアノ贈呈数が115台となり、広島市民表彰(市民賞)受賞。その活動のなかで、「被爆ピアノ」に出会い、2005年から被爆ピアノ全国巡演コンサートを始める。2010年9月、初めて「被爆ピアノ」が海外へ。ニューヨークでのコンサートを予定している。 ![]() にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.08.14 22:26:50
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