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夢の先々(ゆめのさきざき)

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2023.10.07
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カテゴリ:これは大事
FB、Chihiro Sato-Schuh さんの書き込み

【信頼し合う国際関係】​

1991年にソ連が崩壊して、冷戦は終わったはずだった。これで核戦争の危険はなくなって、東西ブロックの軍拡競争も必要がなくなったはずだった。ところが、そのあとから世界はいよいよ戦争に次ぐ戦争が起こり始め、歯止めが利かないような状態になっている。
そもそもNATOは、ソ連の脅威から防衛するために作られたはずなので、ソ連が崩壊して共産圏がなくなり、冷戦が終わったのなら、もう解散してもよかったはずなのだ。もはやたがいに警戒し合う必要もなかったはずだ。ところがNATOは存続し、それどころがさらに拡大しさえした。

1991年に湾岸戦争が起こり、NATO軍はイラクを空爆した。クウェートの少女ナイラがアメリカの議会で、イラク軍が病院を襲って、新生児を保育器から放り出して殺していると泣きながら訴えたことから、イラク攻撃が決まったのだけれど、これが後に演出だったことが判明した。ナイラと称した女性は、在米クウェート大使の娘で、当時クウェートにいたわけでもなかった。アメリカ中央情報局は、広告業者も使って世論操作のために演出を行っていることが、この頃表に出てきているけれど、これはそうしたものだったらしい。

2001年に911が起こり、アメリカがアフガンに侵攻した。これも、アフガンのイスラム過激派がニューヨークのワールド・トレード・センターを自爆テロで爆破したからだということだったけれど、これもブッシュ政権が裏で手を回して行った偽旗だった。その後、アメリカは2021年までアフガンを占領し続けていたけれど、国際法も何もあったものじゃない。この頃から、勝手な言いがかりで他の国を攻撃して、あとで違っていたことがわかっても、何の責任も問われないというようなことがまかり通るようになっていった。

そして2003年には、アメリカの国務長官コリン・パウエルが、イラクが大量破壊兵器を持っていると、国連安全保障理事会で発言して、イラクの生物化学兵器だという白い粉の入ったガラス瓶を見せ、それがイラクを爆撃する理由になった。NATOはバグダッドを爆撃して、フセイン大統領を殺害し、イラクをボロボロに破壊してしまった。しかし、その後イラクから大量破壊兵器は見つからず、すべてはフセイン政権を倒すための嘘だったことがわかった。

その後は、リビアが爆撃され、シリアが爆撃された。政府軍が市民を攻撃しているという理由からだったけれど、実はアメリカが裏で組織していたテロリスト集団が暴れていたために、政府軍が鎮圧しようとしていたことがわかった。リビアのガダフィ将軍は殺され、リビアはボロボロに破壊されたけれど、これについてもアメリカは何の責任も問われていない。

ソ連が崩壊する前から、NATOによる戦争はあちこちであったけれど、しかし東西ブロックが監視し合っているような状態で、まだ歯止めになっているようなところがあったのかもしれない。だけど、ソ連が崩壊したあとは、まるでもうやりたい放題といった風だ。あからさまな偽旗がまかり通り、あとで間違いだったことが判明しても責任を問われない。国際法もまるきり無視されたままで、国際秩序など存在していないような状態だ。NATO諸国は「世界秩序」と言っているけれど、それは国連憲章でさえなく、公正さもなく、NATO独裁とでも言うべきものだ。

ソ連が崩壊したのは、レーガン政権のときの軍拡競争で、ソ連が経済的に破綻してしまったからだったそうだ。これも、アメリカの軍事政策を決めているランド研究所が、ソ連を崩壊させる目的で提言したことだった。軍拡競争の一方で、サウジアラビアに石油の産出量を増やさせて、石油の値段を暴落させた。それで、ソ連は石油からの収入が激減して、破産してしまった。その後は、西側諸国の言うなりに国家事業を私営化していって、西側資本に植民地支配されているのと同じ状態になった。西側資本に依存することでようやく経済を保っているようなことになっていて、国は腐敗しまくり、もはや国際的な影響力を持てるような状態ではなくなった。

第二次世界大戦後、NATOを作り、冷戦状態を作り、何とかしてソ連を孤立させ、崩壊させようとしていたアメリカ政府としては、長年の願いがついに叶ったということだったのだろう。ロシアの豊かな地下資源をタダ同然の値段で手に入れ、ソ連と同盟を結んでいた国々を、言いがかりをつけて攻撃して、傀儡政権を据えたり、反政府派をテロ化させて、政府を乗っ取らせたりした。そして、冷戦が終わって必要なくなったはずのNATOが、東に拡大し続けていったのだ。

それが、2000年にプーチンが大統領に就任すると、変わっていった。エリツィンの下で働いていたプーチンを、西側諸国はエリツィン同様に操れると思って大統領に推したらしいのだけれど、これが西側諸国にとっては期待はずれだった。プーチンは就任してすぐに、企業家たちを集めて、今後は不正は許さないから、明日から政治家を買収するのはやめて、会計を透明にするようにと言い渡した。8割の企業家は、これまでの犯罪を追及されないのならと、それに従った。残りの2割の企業家は、これまで通りにやろうとして、追及され、追放された。それで、ロシア経済は復興し、2006年には莫大だった負債も返済され、国は豊かになった。

NATOが他の国に軍事介入するのも、つまりは自由化とか民主化のためと言って、傀儡政権にすげ替えるためなのだけれど、その傀儡政権が、西側資本がその国を事実上、植民地化することを許すのだ。だから、NATOの攻撃は、事実上、植民地化の戦争だと言える。ソ連が崩壊したのは、軍事攻撃されたからではなくて、軍拡競争で経済が破綻したからなのだけれど、結果は同じことだ。それでゴルバチョフが西側資本にソ連を植民地支配させることになり、プーチンがその支配からロシアを解放した。

昨年2月にウクライナの内戦にロシアが軍事介入するまでは、そんなことはほとんど知られていなかった。西側メディアの報道があまりに一方的なので、SNSから入ってくる現地の情報を追っているうちに、これまで隠されてきた闇の世界が次々と見えてきたのだ。ロシアの脅威という神話がどこから生まれたのか、NATOがどんな組織なのか、そもそも東西ブロックとは何だったのか。軍事介入を始めるときのスピーチで、プーチン大統領はすでにそうしたことについて、世界中に向かって語っていた。そのときには、何のことなのかわかっていなかったことも多い。だけど、あれから一年半以上が経った今、あのときプーチンが語っていたことが何を意味していたのかがようやくはっきりと理解できる。ロシアは初めからウクライナが敵だとは思っておらず、NATOを操っている勢力を相手にしていることを意識していたのだ。そして、NATOは平和を目指している組織などではなく、攻撃を正当化するためにありとある嘘をつく組織だということもだ。その意味で、ロシアは再び第二次世界大戦のときに侵略してきたナチス・ドイツと同様な存在と敵対していたとも言える。

プーチンが大統領に就任して一年後の2001年9月、911が起こったその2週間後に、プーチンはドイツの議会で有名なスピーチを行った。プーチンがまだ48歳だったときのことだ。そこで彼は、冷戦が終わったのにもかかわらず、多くの国々はまだ東ブロック西ブロックで考えるのをやめていない、と言っている。安全保障を考えるときに、いったい誰から、何から防衛しなければならないのかを考えるべきだと。NATO諸国は、もう敵対する相手がいないのに、まだ敵対しているかのように動いている。国際的な協力関係をと言いながら、私たちはまだたがいに信頼し合うということを学んでいない、と。

それはナイーブにも聞こえる話だけれど、あれから20年以上が経った今、プーチン政権のロシアが、まさに相互的な信頼関係を作り上げていくことにより、NATO諸国に勝ってしまったのだ。先日ソチで行われたヴァルダイ・クラブという、国際地政学フォーラムのようなイベントでのスピーチで、プーチンは、西側諸国がいう世界秩序とは、ヘゲモニーと新植民地主義に他ならないということを言っている。そして、永続する平和に必要なのは、誰もが平和に暮らせるという安心感を持て、自分の意見が尊重されると感じられることなのだと。そしてそのためには、権力のバランスが取れていて、覇権主義者たちが、誰かにどのように生活し、どのように振る舞うべきなのかを強制したりしないようになっていることが必要だと。

ロシアは、シベリアから極東まで、幅広い文化圏にわたっていて、すべての民族とこのような信頼関係を築くべく、何世紀も努力してきた。民族の伝統文化は、生き物のように全体として機能しているので、その全体を見なければ、本当に理解することはできない。それは容易なことではないけれど、しかし、そうやってたがいに信頼関係を築けたとき、そこにできる平和は永続する。そうしたやり方は、ロシア帝国の時代からの伝統であり、ロシアの不思議な強さは、実はまさにそこにあったのだ。そして、ロシアは今、その信頼関係のネットワークによって、世界をNATOの覇権主義から解放しようとしている。

ロシアが要求する多極的な世界秩序とは、民主主義にほかならない。これまで西側諸国は、民主主義と言いながら、世界中に自分たちの勝手な価値観を押しつけてきた。植民地主義の感覚のまま、民主主義を語っていたのだ。民主主義は、たがいに信頼し合い、平和的に問題を解決することができると信じるところからしか始まらない。

20年前には、たがいに信頼し合うことを学ぶべきだというプーチンの主張は、若い政治家のナイーブな理想論のようにしか受け取られなかったかもしれない。しかし、世界は今、まさにその信頼の力による結束で、NATO諸国の独裁から次々と独立していっている。それは、フランスの傀儡政権を倒したニジェールに対して、フランスが介入できない状態なのもそうだ。今年に入って、世界各地で行われた国際フォーラムやサミットでも、私たちはそのさまを見ることができた。それは、多様な民族がありのままに交流する多極化世界のルネサンスを思わせた。そのさまを見て、世界中の人々は、これまでの西側諸国がいう民主主義とか国際秩序というものは、一方的に上から押しつけられる独裁主義的なものでしかなかったということに気づいていったのだ。

私たち人間は、本当はこんな風にたがいに信頼し合い、理解して受け入れ合うことができるのだ。そして、そうしたときに、誰にとっても心地よく、それぞれがありたいようにあるだけで、多様性が開花していくような世界ができていく。そうした世界が、ようやくここまで大きくなっていったということを、今回のヴァルダイ・クラブのプーチンのスピーチは、示しているようだ。





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Last updated  2023.10.07 21:46:03
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kawahagi7@ Re:とうとう壊れたエヌティーカッター A-900(03/24) 初めまして NTカッターA900を検索していて…
うろうろ@ Re:ドライブレコーダー 常時録画 フルHD ★ QD-101(12/21) >オートパワーOFF(2分・5分・10分)、 …
DANDELION-GLOG@ Re:家庭のテレビでSkypeテレビ電話が簡単に「telyHD」(08/31) 勝手ですがお気に入りに登録させてもらい…
いっぺー@ はじめまして。 突然しつれいします。僕も昨日から印刷で…

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