テーマ:VIVA!少年柔道!(160)
カテゴリ:導(coaching)
一口に「平等」といっても、様々な切り口があります。
一般的に分類されるのが、「絶対的平等」と「相対的平等」です。 最近では、場面、場面の見た目だけで判断し易い「絶対的平等」を求める傾向が強くなっているように感じて止みません。 数ヶ月前の近代柔道に東海大相模高校柔道部の林田和孝総監督へのインタビュー企画がありました。 その中の一文です。 選手たちに差をつけて競わせる。 これは出稽古に限らず、ランニングなどのメニューも差をつけていて、この選手にはやらせて、この選手にはやらせないと差別化を図っています。 皆に同じことをさせるのは、実は平等のようで不平等だと思いますね。 これは難しいところで。個々の能力は違いますから。 ポイントだと思った選手だけさせるというのは、指導者としては苦しいことでもあります。 しかし、差をつけることで子供達は頑張ろうとします。 そして、その姿を見てこちらもアクションを起こすんです。 稽古で特定の子を指導したり、叱ったりすると「差別だ」と騒ぎ立てる方々も少なくありません。 それは、「絶対的平等」の観点でばかり平等か差別かを判断してしまっているからではないかと考えます。 その時は、平等に思えても、将来的には実は差別になってしまっていることに気付かないなんてことも少なくありません。 林田総監督がおっしゃる平等とは、正に「相対的平等」にあたります。 先日、フジテレビの番組「エチカの鏡」で勉強は当然のことながら、音楽、運動にと天才児を育てるとして注目されている英才教育幼稚園が特集されていました。 その中で園長先生がおっしゃった「子供をやる気にさせる4つのポイント」を紹介します。 1)子供は競争したがる。 順位を着けることで、喜びからの向上心と悔しさからの不屈心を刺激する。 2)子供は真似をしたがる。 無理矢理やらせるのではなく、子供が自ら率先して真似をしたがる様な機会を与える。 3)子供は、チョッとだけ難しいことをしたがる。 子供は、難しいことは嫌いであり、簡単なことは飽きてしまう。 漠然と反復させるのではなく、その子の力量を見極めて、段階的に難易度を高める。 4)子供は認めるられたがる。 頑張ったこと、良い成績だったことには、達成感を持たせるように誉めて、何か形を残して上げる。 園長先生は、それらの全てを「英才教育」とは言わずに、「教育そのもの」だと話されていたことが印象的でした。 冷静に考えれば当たり前のことなのですが、最近の「絶対的平等」ばかりが蔓延している教育環境の中では、疎かになっていたポイントだと気付かされました。 本当は、全ての子供が天才になる資質を持っているのに、大人が勝手に子供達の可能性を決めつけた「絶対的平等」を布いてしまい、その可能性を潰しているのかもしれません。 我々、指導者も父兄も、何が平等で、何が差別なのかを冷静に捉えることが大切になってきます。 ※「絶対的平等」とは、例えば老若男女の全て人に同じ条件を与えること。対して、「相対的平等」は、その、それぞれの年齢や性別などに適した、それぞれの条件を与えることをいいます。 少年柔道会員募集 ◆仙台柔友会◆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.06.05 08:24:24
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