育成する指導力
先日、行った日帰り人間ドッグでの待ち時間にロビーにあったスポーツ雑誌を見てました。その内容がとても興味深かったので、帰りに書店に寄って探したのですが、隔週発行の雑誌だったため、既にバックナンバーになってました。それでも、どうしても手に入れたくて、ネットなどで探したのですが、尽く、売り切れ状態・・・やはり、人気のあった号だったようです。しかし、諦めかけていた時に、仕事の合間で立寄った書店のバックナンバーコーナーに・・・ありました。Nunber(ナンバー)736号 特集:あの人のノートが見たい。その特集では、サッカーの中村俊輔選手を始めとしたアスリートを中心にスポーツに関わる方々が綴ったノートが紹介されています。中でも興味津々だったのが、プロ野球楽天の野村克也監督のノートでした。野村監督と言えば、自らを「月見草」と例え、地道な努力を重ねて・・・MVP5回、三冠王1回、首位打者1回、本塁打王9回、打点王7回、ベストナイン19回、ゴールデングラブ賞1回などの数々のタイトルを獲得された名選手でした。しかし、現役時代の実績以上に高く評価されているのが、監督としての育成力の素晴らしさではないでしょうか・・・特に今年は、就任初シーズン(2006年)はリーグ最下位だった楽天を2位にまで躍進させ、プロ野球を大いに沸かせてくれました。今回、手に入れた雑誌の中で、少しばかり、その理由を知ることができました。それは、「ノムラの考え」と題した、マル秘ノートの存在です。そのベースは、野村監督が現役時代からつけていた「野村メモ」だと言います。それらが蓄積されて、170ページ弱の本となったのが、「ノムラの考え」です。そこには、監督として、如何にしてチームを導いて行くかが標されており、それを選手達に悟らせようと、目的、提言、人生観、戦略、哲学、技術などの精神面から技術面まで多彩な要件がまとめ綴られています。これを選手達に配って熟読させた上で、ミーティングをするのだそうです。少年柔道の指導者にとっても、この指導方法は物凄く参考になるのではないかと思えました。何故なら、この特集を読んで感じたこと・・・野村監督の育成実績は、偶然ではなく必然であると言うことです。ノートの特集と言うこともありますが、野村監督は「書くことで人は伸びる」と語っています。各々が「人生とはどう生きたいのか?」「どういう人間になりたいのか?」と言う根本目標をはっきりと胸の中に秘めて、こつこつ地道に努力してゆくのです。(野村克也)書くこととは、「自分で考えを具現化する行為」の一つなのではないでしょうか。そして、選手を「育成する指導力」とは、「指導者が自分の考えを具現化して選手達に伝え、選手達に自分の考えを具現化させて実行すべく導く能力」なのではないかと思えました。実力者をかき集めて強化する様な指導とは違って、初心者から育て上げる少年柔道の指導は、間違いなく野村監督の指導方法に通じる部分が多いはずです。よろしければ、一日一回、クリック(投票)して下さい→ 少年柔道会員募集 ◆仙台柔友会◆