受験勉強法 その2 同じ問題集を何冊も買う
前回は1冊に情報を集約化する方法を書いた。
今回は、別の方法を書いてみたい。
みなさんの学校で使っている開隆堂の中学英語教科書に「take part in ~」という英熟語が出てくる。「~に参加する」という意味である。なんと私が高校生になってから覚えた英熟語である。今年から、塾授業で、5回、6回と「take part in」と書いて「~に参加する」と覚えてもらっている。
しかし、高校2年の後半まで、私自身は熟語に関して、そういう覚え方をしていない。in(に)、part(パート、役割)take(〜を取る)、「役割を取る=参加する」といったふうに1つ1つの単語の意味を繋ぎあわせて熟語を覚えていた。それでも、さすがに受験に向けて英熟語を完璧にするという点では、やや限界を感じて、駿台文庫の『頻出問題演習』という熟語問題集を買った。
ここからが本論である。この問題集をどういうふうに使ったかというと、ノートなどはいっさい使わずに、直接書き込んでいった。もちろん、初めは10問中5問程度しかできない。それで、1冊終了後にもう1冊買った。今度は、10問中8問できる。脇に1冊目を置いて比較すると、自分の向上度合に満足できるとともに、相変わらず間違ってしまう2問が把握できる。そして、もう1冊買う。今度は10問中10問できる。それで満足、完成である。ノートを使わずに、自分の上達具合を把握する、苦手部分を抽出するには、面倒が省けてよい。
問題集1冊なんて予備校に行くのに比べれば安いものである。このような使い方をした問題集は他にもいくつかある。そして、弟も同じやり方をしていたので、うちには同じ問題集が6冊、7冊とあって、兄弟が家を出てしまったあと、親は不思議に思ったらしい。
なお、上に書いた英熟語の覚え方であるが、以前、ある県立進学校の英語の先生(女性)が娘さんを連れて相談に見えた。娘さんは中学から都心の、やや独特の指導方針の私立名門校に出ていて、冬休みの帰省時のことである。持ってきてもらった河合塾模試の英語の成績が全国で1ケタ順位であった。お母さんの方は、自分の勤務する県立高校で、生徒に問題集を使わせて毎週ノルマを課して徹底的に暗記で鍛え上げるという方法を取っていた。娘さんの方は「そういう問題集は意味ない」と主張するらしく、「娘の言うことがさっぱりわかりません。」ということであった。
私には両者の言い分が、それぞれ、よくわかった。
結局、彼女も私と同じく確認用にお母さんの言い分に従い、お母さんの勤務する高校で使用している問題集をやったらしい。それまで、特別に熟語の勉強したことがなくても、4,5日で、ほぼ間違いなくやってしまったらしい。