カテゴリ:成績の伸びない子
「早く終わらせたい」と焦ってやっている子
端的に言えば、勉強とは入試に受かるためにやっています。 「一次方程式を解けること」や「裸子植物と被子植物を区別できること」が、将来直接役立つことはあまりないでしょう。 ではなぜ勉強するかといえば、受験で出題されるからです。そして、受験に合格しないと、「学歴」という武器を手に入れられないからです。「学歴」を持たずに社会に出るのは、武器を持たずに戦場に赴くようなもの。運が良ければ生きて帰れますが、命を落とす危険性の方が遙かに高くなります。だから、社会に出る前に学歴を手に入れる必要があるのです。 学歴がなくても食べていけるような子もいます。AKBのメンバーやプロスポーツ選手です。彼らは、その方面の才能があるからそれでいいのです(ただ、個人的には、私は「芸がないからこそ芸能人になる」という考えです。一般社会で生きていくための一芸があるのなら、芸能人にならない方が安定した人生を歩めると考えています)。しかし、そうした特別な才能がない場合は、やはり勉強し、学歴を手に入れてしまうのが一番安全です。 そして、その学歴を手に入れるために不可欠なのが、現在では学校の教科書内容をマスターすることなのです。 (何が必要とされるかは、時代により地域により異なります。現在の日本では、勉強の価値観が相対的に高いという話です。パラダイムシフトが起これば、また価値観も変わるでしょう。)
さて、前置きが長くなりました。冒頭の「早く終わらせたいと考え、焦って勉強している子」の話です。 このタイプは成績が伸びません。 誤解なきよう断っておきますが、入試(テスト)ということを考えた場合、ゆっくりやっていてはいけません。早く解かなければ制限時間に間に合わないですし、ゆっくりやっていては入試までに全範囲終了しないからです。そういう点では、「素早く解くこと」は重要です。 ここで言いたいのは、「スピードを上げよう」「制限時間に収まるように素早く解こう」と考えている子ではなく、ただ単に「勉強を早く終わらせたい」と考えている子のことです。このタイプは成績が上がりません。なぜなら、根本的に勉強が好きではないからです。そして、嫌々やっているので頭にも残らないからです。 彼らは,その単元をマスターすることが目的ではなく、そのページを終わらせることが目的になっています。もっと正確に言えば、そのページを終わらせて、「早くテレビを見たい」「早くマンガを読みたい」「早く遊びに行きたい」「早く寝たい」が目的になっています。つまり、勉強よりも、勉強終了後の趣味の時間が目的なのです。これでは成績が上がるわけがありません。
たとえば、ジクソーパズルの話です。500ピースのものと3000ピースのものでは、3000ピースの方が値段が高くなります。しかし、ジグソーパズル好きの人は、必ずや値段の高い3000ピースの方を購入するはずです。なぜなら、好きなことや楽しいことは、長い時間をかけて楽しみたいと思うからです。そして、実際に長い時間かけて仕上げたパズルは、短時間で仕上がる500ピースのパズルよりも、素晴らしい絵柄になっているはずです。500ピースと3000ピースとでは、迫力が違います。 料理でも同様です。何度も何度も煮て、焼いて、時間をかけた料理というのは、短時間で作ったレトルト食品よりも深い味が出るはずです。2013年9月現在休業していますが、「藪そば」のつゆなどは完成までに何日間も寝かせておくとのことです。 勉強も同様です。「長い時間かけじっくりと養成した力」と「短時間で詰め込んだ付け焼き刃の知識」とでは、深みも違えば、定着度も異なります。試験前だけちょこちょとと勉強したり、早く終わらせたい一心で適当に仕上げた宿題や提出物というのは、全くみなさんの力にはなっていません。 そもそも「早く終わらせたい」という焦る気持ちが常に頭の片隅にあるのですから、集中力という点でも疑問符が付きます。 したがって、早く終わらせたいという気持ちで行う勉強というのは、全く意味がなく、みなさんの力になりません。そのため、成績が伸びないのです。 (この「成績が伸びない子」シリーズ。実は100話ほど書きためてあるのですが、少しずつブログに書いていきます)
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最終更新日
2014年05月20日 05時02分16秒
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