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2019.07.27
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カテゴリ:眞島秀和

眞島秀和インタビュー 岸井ゆきのと共に挑む、濃密な家族劇『月の獣』

眞島秀和

家族の絆、そして人間の本質を実話に基づき描いたリチャード・カリノスキーの戯曲を、日本を代表する栗山民也が演出する舞台『月の獣』。フランス演劇界の最高峰・モリエール賞を受賞しているこの上質な作品を、眞島秀和岸井ゆきのという演技派二人の顔合わせで上演する。舞台となるのは第一次世界大戦の終戦から3年後の1921年、米国・ミルウォーキー。生まれ育ったオスマン帝国(現トルコ)に家族を殺され、ひとりアメリカへと亡命した青年・アラムは、自分と同じアルメニア人の少女・セタを妻に迎え、新たな家族を再び築こうとしていた。互いに深い闇を抱え、異国の地でいきなり夫婦となった若い二人が、反発し、傷つけあい、それでも寄り添いながら長い時間をかけて真の夫婦になっていく。普遍的な家族愛を濃密に描く、四人芝居だ。ヴィジュアル撮影を終えたばかりの眞島に、作品への想い、意気込みなどを語ってもらった。

ーーこの『月の獣』という作品への出演が決まった時、まずどう思われましたか。

ここまで、台詞のボリュームがある役を舞台でやったことがなかったので、もちろんどんな仕事でもそうですが、特にこれは自分にとって大きなチャレンジになるなと思いました。​

ーー『チャイメリカ』(2019年)でご一緒されたばかりの栗山民也さんの演出を、再び受けることに関しては。

まあ、作品が全然違いますからね。まだ栗山さんにも、『チャイメリカ』の全公演が終わった時に初めて「改めてよろしくお願いします」という挨拶をしたくらいなんです。

ーー実際に栗山演出を経験してみて、感想としてはいかがでしたか。

とにかく、作品に対する愛情がとても深い方なんです。あと、稽古の進め具合を含め、栗山さんならではのスピード感が自分にはとても速く感じて。なので今回は自分の中の回転数を高めて、稽古に臨むつもりでいます。そうじゃないと、ついていけなくなってしまうかもしれないので(笑)。その点は、覚悟していかなければと思っています。​
眞島秀和

ーーそして今回、岸井ゆきのさんと夫婦役として共演されるわけですが。これまでに、共演経験はおありでしたか。

岸井さん主演の『十九歳』(2017年)というドラマで、一度ご一緒したことがあります。

ーーさきほど、ヴィジュアル撮影中のお二人は既にとても仲が良さそうに見えました。

いや、まだ稽古が始まってみないとどうなるかわからないですけどね(笑)。本当にとても魅力的な方だと思っていますし、再びご一緒できるのが本当に楽しみです。​

ーー映像で共演するのと、舞台で長期間一緒に稽古するのとでは、またちょっと違いますか。

違うでしょうね。今回は二人でしっかり協力して、作品がどこに向かうのかということも含めて、同じ目標を共有し、共にやっていかなければいけないなと思っています。

ーー台本を読んだ感想は、いかがだったでしょうか。

第一次世界大戦の3年後から始まる物語の時代設定のことや、その背景にアルメニア人の虐殺の史実があったりはするんですが、僕が読んで思ったのは、時代と国が違ったとしても他人と他人が一緒になって家族になっていくという過程は同じなんだということ。そこが社会で一番基本的な部分だということも一緒なので、この今の時代の人が観てもきっと何かそれぞれに感じるものがあると思うんです。人と人が共同体になっていくことの難しさ、そして家族の絆みたいなものに気づいていく過程の描き方は、とても面白かったです。

ーー血がつながっていなくても家族にはなれるけれど、いろいろと難しいことには違いがなくて。たとえ夫婦であっても、男と女で考えが違う部分もありますしね。

だからこそ、生きていく上ではそこが一番、基本的な部分になるのではないかと。それは時代が変わっても、永遠のテーマなのかなという気がします。

ーー確かに、国籍を越えて誰もが身近に感じられそうな物語ですよね。

そうです。ある夫婦の話であり、ある親子の話であり、ある家族の話なので。
眞島秀和

ーーその中で、眞島さんが演じるアラムというのは、なかなか難しい役なのかなとも思いましたが。

家族とは、そして父親とはこうあるべきだという考えを確実に強く持っている人ですからね。だけどそういうところも含めて、今、日本に生きている私たちもみんな同じだと思うんです。自分の考えをつい、相手に押しつけようとすることだってあるかもしれないわけですし。そういうことの難しさって、ありますよね。相手の考えによって変わっていくこととか、その変わっていく過程であるとか。そういうことが描かれているところも、この戯曲の面白さかなと思います。

ーー役を演じる時、ご自分との共通点を探したりすることはありますか。

ああ、それはありますね。どんな役でも、自分の中に一部分でもあるかどうか探してみます。どうしてもない場合は想像力を駆使して、あとは演出をしていただいて、やりきるしかないですけど。最初は自分のどこかにないかな? と探したりしますね。のっかっていきやすい部分があったほうが、どちらかといえば助かりますし。

ーーそういう意味では、今回のアラムに関してはいかがですか。

一言で言ってしまえば昔気質の男性という捉え方もできるので、多少は想像できるほうかなとは思っていますけど。でも、まだこれからアルメニア人の歴史的なことを勉強するつもりなので、そこからまた少し変わっていくかもしれませんね。今の時点ではこういう感じの人なのかなという、大枠で想像している段階です。ちょうどさっき、写真を撮影している時に岸井さんからアルメニア人に関する映画があって、それがすごくわかりやすかったと教えてもらったので、まずはそれを観てみようと思っています。

ーーでは最後にお客様に向けて、眞島さんからお誘いのメッセージをいただけますか。

僕としてはとにかくここまでボリュームのある役を舞台でやるのは初めてなので、今の段階ではたくさん不安もあるし、本当にがんばらなきゃなと思っています。きっと、ひとつの節目になるような大切な作品になるような気がするので、ぜひとも大勢の方に劇場で観ていただけたらうれしいです。
取材・文=田中里津子 撮影=中田智章
眞島秀和






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最終更新日  2019.07.27 00:00:14
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