新美南吉の名作童話を黒井健の挿絵で絵本にしたもの。旧仮名遣いは現在の仮名に改められていますが、基本的には原文のままです。
子供のために買ったのではなくて、実は私が好きでずっと前から持っていたもの。
最近、雪が降ったり、娘の手袋を編んだりもしていたので、思い出して引っ張り出しました。
本当に素敵な絵本です。
まず新美南吉の文章が、本当に美しい。
雪や光や町の灯の描写、狐と人間とそれぞれの親子のやさしく温かい会話。
雪の降る寒い日に、子狐が人間の町に手袋を買いに行くお話。じんわりと胸が温まります。
2歳の娘にも大筋は分かるようですが、どちらかというともう少し大きい子向け。
もっとも、細部は理解しなくとも、日本語の美しい響きを読み聞かせるという意味では何歳でも良いと思います。
大人が読んでも、本当に味わい深いです。
それから、黒井健の挿絵。
幻想的でいて、柔らかく暖かみもあるイラストが、新美南吉の文章ととてもよく合っています。
私は絵を見ることがとても好きなので、どんなに良いお話でも絵が好きになれないものは買いません。
とても素敵な絵で、つまらないお話の絵本は買ってしまうことが多々ありますが(^^;)
これは、両方とも素晴らしい貴重な絵本。大人が鑑賞する価値が十分にあります。
新美南吉+黒井健の組み合わせでは、ごんぎつねもあります。
こちらも狐と人との交流を描いたお話ですが、とても切ないエンディング。
やはり、子供だけでなく、大人もじっくり味わいたい絵本です。
黒井健さんの絵は一見するとパステルのようですが、実は色鉛筆なんですよね。
色鉛筆を油で溶かしてぼかすらしいです。
以前、何かの本で彼の技法を見て、当時、美術部で絵を描いていた私はどうにか真似をしようとしたものでした・・・(結局うまく習得できず^^;)。
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