裏社会‥4です!
P.S元うどん屋大将半生記http://www.hattanji.jp/是非、覗いてやってください!お願いしま~すm(__)m《大阪・裏社会》‥朝が早すぎたのか、それとも帰りが遅かったのか‥どちらとも言えない。いや、それを口に出せば“泣き言だ”と張り倒される。それが“若い者”の宿命‥“駆け出し極道”の悲しい性だ。連夜の“飲み屋巡り”を終えるのが1~2時。そこから兄貴さんを自宅へと送り届ける。玄関までお供‥ボディーガード役だ。不審者が現れれば“盾”にならなければならない。これも若い者の当たり前の所作だと教えられた。そして『ご苦労さんでした!』の挨拶で一日が終わる。兄貴さんの一存に振り回される“長い一日”の終幕‥しかし問題はここからだった。“夜蝶”のココロ‥彼女の帰宅と僕の眠る時間帯は重なる。ココロが目覚める頃には、僕は出掛けた後。すれ違いばかりとなった二人の生活‥ココロはその不満を僕にぶつけ始めた。『かまって欲しい‥』弱冠17歳‥まともなら女子高生。裏社会のなんたるかなど、まだ理解できるはずもない。ましてや“駆け出し極道”‥“チンピラ”の日常を推し測ることなど‥。日毎に妙な“違和感”を感じ始めた僕‥心のどこかで《ココロは兄貴さんの身内》‥そんな心理が、ココロを“腫れ物”のように感じさせ‥僕の態度は少しずつ“他人行儀”と化していった。“ココロの甘えを受け入れることは義務”‥そんな認識が僕の脳に刻まれたのだ。だが、それを全うすること‥ココロの“お伽(とぎ)”は、僕の僅かな睡眠時間さえ容赦なく奪った。『若いもんは30分前到着が当たり前や!』そんな嫌味が兄貴さんの口から出るようになった。朝の通勤ラッシュの経験が無かった僕。遅刻をすることは日常茶飯事‥実際、日によってラッシュ状況が異なるのも確かだ。しかし、実はそれ以上に度重なる“寝坊”‥二度寝の微睡(まどろ)みの中で、僕は“島”のハンドルを握っていた。当初は“慣れるまでは”と称して多目に見てくれた。だが、それも一ヶ月ほどだった。遅刻の度に殴られるようになった僕‥その力加減は以前とは明らかに違っていた。同じ時期に花神組の事務所当番が任務に加えられた。まだ見習いなので、他の先輩の付き添い程度。十日に一度程のリズムだったように記憶している。しかし、これも雑用ばかり‥炊事に掃除、当番者補佐と日中は多忙を極める。炊事とは意外に思うだろうが、これも必須だ。夜は先輩より遅く就寝、朝は先に起床‥これまた当然である。そんな花神組当番に上層部出向、付き人生活‥そして家に帰ればココロの“お伽”‥元来、虚弱体質の上に過度の睡眠不足。僕は“眠欲”に、飢えに飢えまくった。朦朧とする意識の中で繰り返される日々‥僕の自己主張など、どこにも存在しない。操り人形のように言われるがまま‥それはまさに“脱け殻”だった。そんな僕はついに‥言い訳不能の大失敗を犯してしまう。兄貴さんの付き人を始めて三ヶ月ほど経った日の事だった…~続く~