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カテゴリ:秩父巡礼
第33番札所
山号:延命山(えんめいさん) 宗派:曹洞宗 本尊:聖観世音菩薩 巡拝日:2008年6月5日 ----------------------------------------------------------------- 想像を絶する三十二番・法性寺の奥の院参りのあと。 もはや気力も体力も使い果たした状態だったが、 地図を見ると、三十三番・菊水寺は帰り道の途中にある。 帰宅時間を気にしながらも、寄ってしまうことにした。 自治体の区分でいえば、この三十三番で札所は三たび秩父市へ戻る。 といっても、かつてここは秩父郡吉田町だった地域であり、 荒川村と共に2005年4月に秩父市と合併した。 三十三番へ向かう道の右手には、灰色の山肌が露出している。 右肩上がりに隆起した地層が、遠目にも見て取れる。 地質学や化石には詳しくはないけれど、実際このあたりからは、 価値のある発見が数多くなされているらしい。 菊水寺は、三十番以降の札所の中では、かなり開けた場所にある。 とりわけ三十二番が凄まじかったので、その立地にやや肩透かしを食らう。 門前に道路が通っていて、その道を隔てて駐車場がある。 ![]() 寺の入り口には「大桜山長福寺」と刻まれた石標がある。 ここは菊水寺なのでは?と思いつつ右側に回りこんでみると、 同じ石標の右側面に「延命山菊水寺」の文字があった。 そもそもここは長福寺であり、かつては菊水寺の別当であったのが、 菊水寺が消失しご本尊がここに移されたことで、便宜上ここが札所となったとか。 ご本尊が移されたきっかけは、1569年に武田信玄によって菊水寺が焼き討ちにされたから、 という。戦国時代の乱世の影が、秩父札所にも影響を与えていたとわけだ。 その石標の右手から、美しく整備された参道が、まっすぐ本堂へと伸びている。 本堂は、シンプルながらどっしりと安定感のある入母屋造り。 お堂の内部は半分が広い土間になっていて、 靴のまま本堂内へ入っていくことができる。 ご本尊の聖観世音さまは、埼玉県指定有形文化財。 体長88cmと決して大きくはないけれど、本堂の中央奥で存在感を醸し出している。 ![]() 納経所は、この土間の右手に併設されている。 ここまで33ヶ所まわってきたわけだけれど、 ご本尊の視線を感じながら納経を受けるというシチュエーションは、 もしかしたらここだけではなかろうか。 境内には、芭蕉句碑がある。秩父市指定有形文化財。 芭蕉の五十年忌に建てられたというから、1743~4年頃の碑ということになるのか。 ![]() それにしても、法性寺に比べれば、 菊水寺の境内はあまりに狭く、あっけない。 なにかやり残しているような気分にさえなりながら、寺を出る。 いよいよあと1ヶ所を残して、この日の巡礼は終わりとなった。 ![]() 延命山菊水寺 秩父市下吉田1104 tel.0494-77-0233 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年10月20日 11時22分16秒
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