トイプードルのソラ ~~ 雨歩きは苦手 ~~
ハイ! ソラです。 今朝は、目覚めたときからすでに雨が降っていた。父がトレーニングや家事を終えて散歩に出かける時には、細やかな霧雨となっていた。私はいつもウエア―は着用しないので、父がさしてくれる、雨傘が頼りだ。 雨が強い時には、直ぐに体が濡れてしまうので、体をブルブルと震わせて、水分を振るい落とそうとする。でも、今日はそれほどでもないので、体を震わせる必要はない。だが、羊山を越えて戻ってくる散歩コースを父は選ばなかった。 市街地の中を、20分ほど歩いて家に戻った。最後の5分間は雨の落ちる量が増えて、路面に水が少し浮くようになった。こうした道路を歩いて来ると、私は決まって「しりっぱね」をあげてしまう。特に前足の方は、脚の付け根ぐらいまで、水分が付着してしまう。 私は足が長くてスタイルがいいのが自慢だが、その長い脚を濡らしてしまう。どういう仕組みで「しりはね」があがってしまうのか? それは私には、わからない。ただ、歩くのが下手なのは確かだ。父に綺麗に洗ってもらい、いつもよりドライアーをかける時間をたっぷりとって貰って、ようやく日常の姿に戻る。 今は午後3時。父が日本茶と、煎餅を居間で食べだした。珍しくおやつタイムだ。袋を破る音を聞きつけ、むっくりと起き上って、直ぐに父に近づく。長さ3cmくらいの細長い「ごぼうサラダおかき」だ。そのかけらが、テーブルの上に置かれた。父から離れたところに行って、取り敢えずお座りをして眺めた。 「ソラさん、食べな!」 と、父が何度か繰り返した。何時もはこういう食べさせ方はなかったので、なんだか戸惑っていたが、おかきと一緒に置いてあるスライスチーズの臭いにさそわれて、顔を近づけた。 だが、意地悪く、届きそうで届かない微妙な位置に私のおやつが置かれていた。お座りの姿勢を止めて立ち上ってみた。耳が振れる程に、顔をあちこち傾けてみたけれど、どうしても届かない。 「ごめんなさい!」 「前足乗せ」の禁じ手を使って、ついに目的を達した。 小さなおやつを手に入れるのも、容易ではないな!