上州新田郡三日月村
続・木枯し紋次郎を観る 第20話 ★★★★★脚本 鴨三七 演出 大洲斉監修 市川崑出演 服部妙子 大滝秀治 嵐寛寿郎「あっしは別に此処に帰って来たわけじゃねえ」「あっしみてえな渡世人には歩く道のほか何もござんせん」「だったらおわかりでござんしょう。無宿の渡世人に故郷なんてもんがあるんでござんすかねえ」「気にいるもいらねえもありやせん。通りすがりの見知らぬ皆さん方の頼みに一々耳を貸していたんじゃ命が幾つあっても足りねえんで」「あっしのような無宿もんには人と人との繋がりはござんせんよ」「あてのねえ旅でも心に引っ掛かるところが一つや二つはあるもんでござんすよ」「そんな気持ちわからねえじゃござんせんが旅する身となれば空と地面があるっきり雨が降るか雪が積もるか風が吹くか陽があるかの違ぇぐれえで何処にいても大した変わりはねえって気になってくるんでござんすよ」「疲れた手足を伸ばす眠る明るくなるのを待つ今日が過ぎれば明日が来る。そこに道があれば歩くだけじゃいけねえんですかい。お市さんはもう歩きたかねえようだ」「おめえ達には只の石ころでも石で刻んだこの地蔵様達には死んだもの生き残ったものの精一杯の怨みや哀しみがこもってるんだ」「お市さん、また会うこともねえでしょうが随分とお達者で」「申し訳ござんせん。あっしはただの通りすがりのもんで」ブログランキング★TV