漆黒の読書記録

会社を潰すな！ 崖っぷち社員たちの企業再生ドラマ （PHP文庫） [ 小島 俊一 ]​

中小企業の再建を手掛ける経営コンサルが書いた小説。

先代の死後、低迷する金沢の書店チェーンで銀行から出向してきた主人公が時にはぶつかり、時には協力して再建を目指すストーリー。

経営コンサルが書いた小説だけあって、経営に必要な財務諸表の読み方やマーケッティング、心理学の理論などがストーリーを追いながら学べる仕掛けになっています。

以前紹介した「家電の神様」同様、地域とともに成長するために中小企業がどう考え、どう行動するかが示されており、経営に携わる人だけでなく、新人から中堅といった幅広い層の社会人、そして就活生の参考になる内容です。

妻と別居状態の主人公に対し、やたらと登場する女性に独身が多かったり、本文の前に作者の輝かしい経歴の自分語り(中でも四国で手がけた企業はかなり手応えがあったようで作中でもやたら松山を褒めちぎっている)が展開されるなど、何かゲスの勘繰りをしてしまいますが、本編の内容は非常に良いのでオススメの一冊です。