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カテゴリ:takasaki
僕は一人部屋に残され、そのまま窓際に立ち、さっきは目に入らなかった夜景を眺める。
小さな窓の光の数々、流れていく車のライト、テールランプ。そしてきらめくネオン。 しばらく眺めてから、窓に額をつけて、急に心細くなり、目を閉じる。 本当に、、いいのかな?気弱に迷いだす心に、戸惑う僕。 あんなにあんなに考えて決めたのに、今更。。なんなんだよ、おい。 お前の準備を、一番しっかりしてきたはずだろ? 自分の心に発破をかける。 やがて、シャワーから出てきた莉花に、そっとキスしてから、入れ替わりに僕もシャワーを浴びる。 そして、もう一度、心をしっかりと縛りなおす。 医者である自分を心から追い出す。 莉花との子供を望む、ただの、シンプルな僕を呼び出す。 どれも僕なんだ。 今だって、迷って当たり前だ。 何も恥じることはない。 迷うから、、、迷った末、こうすることを選んだんだ。 何が正解、なんてことは、ないんだ。 これだって、正解なんだ。 『僕たちの間に絶対生まれるべき命』。 もしも、・・そんなものがあるなら、これが最初で最後のチャンスだから。 ちゃんと飛び込んでくるんだよ? 僕は、心の中で呼びかける。 さあ。 シャワーから出たら、 これまでの僕たちの、2週間に1度の、この上なくソフトだった、どんな性交渉とも違う形で、 僕は、激しく、莉花を求める。 優しく、ゆっくり抱くわけにはいかない。 土壇場で、ためらいや、迷いに支配されるわけにはいかないから。 一生に一度だけ。 そう、今夜だけ。 僕は、ただのオトコになって、莉花に、・・・・溺れるんだ。 ←1日1クリックいただけると嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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