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カテゴリ:translucent ケースケ×ミリ
「・・・ヤ・・」
おびえたように、唇からこぼれるミリの小さな声を、押さえ込むように、乱暴に唇をふさぐ。 ミリの両手が俺の胸を押し返す。 たいした力には感じないけれど、きっと、ミリには精一杯の抵抗だった。 だけど、欲望に火がついた俺は、そんな抵抗、 ミリのいつもの羞恥心がさせるかわいい拒絶だと、気にしなかった。 ・・・このままココで抱いてやる。 唇を解放し、ボタンに手をかけながら、かがみこんで首筋に唇を移動させたとき、 ミリの押しとどめようとしてももれる嗚咽に気づく。 、、泣いてる。。。。? 驚き、見上げたミリの顔。 やっぱり、、。 ミリは涙をボロボロこぼしながら、必死で、唇をかみ締めていたんだ。 ほんとに、、ヤなのか。。。? ミリの涙に、俺は我に返る。押さえつけていた力を緩める。 ミリは崩れ落ちるようにしゃがみこんだ。 そのまま泣き崩れるかと思ったが、意外にも、顔を上げたまま手のひらで涙をぬぐっている。 俺はミリの前にかがみこんで、親指で涙の粒を止める。 「・・・ゴメン。ミリ。悪かったよ。俺、、つい、いつもみたいに・・・。ほんとに嫌がってるなんて思わなかったんだ」 ミリは、哀れむように俺を見て、無理に笑って言う。 「・・・嫌がってなんてないよ。いいよ。したいんでしょ?最近、、し、てなかったもんね。しよ。ベッド行く?それともお風呂で?ここでもいいよ、ね?」 自分でボタンをはずし始めるミリ。その投げやりな様子に、俺は、その手をつかんで止めて、ミリの目をみつめて言う。 「よせよ」 ミリは目をそらした。俺は言う。 「なんで、、そんな。。。イヤなら、しなくていいんだよ。」 うつむいたミリは、しばらくしてから、もう一度顔を上げた。 「ど、、して?ケースケ、、したいんでしょ?・・・無理やりでも、、したいくらいに」 無理やり、、って。いや、、確かに、無理やりしそうになってたよ。でも。 「ごめん、って。・・確かに、、俺、、ミリのこと、、抱きしめるだけで、止まんなくなっちゃったよ。。いつもどおり、ガマンできなくなったんだよ。はじめたら、、間違いなく暴走しそうなくらい、たまってるから。だけど、ミリがヤならしなくてもいいんだって」 ミリは俺がそう言うのを聞いて、頬を軽くゆがめ、哀しげに笑って、震える唇で、とんでもないこと言い出すんだ。 「だよね、私なんかと、無理やりしなくったって、、ケースケは、しようと思えば相手はいっぱいいるもんね」 俺は驚いて聞き返す。 「なに?」 「私、、じゃ、なくったって。誰とでも、、できるんだもんね」 あきらめきったように、ただポツリと投げ出された言葉。 「ミリ・・・?」 一体なんてこと。俺のコト、まだそんな風に思ってんのかよ。呆然とする俺。 「なんで、そんなこと言うんだよ、俺、ミリ以外の女となんて、」 俺の話をろくに聞こうともせず、ミリは立ち上がってリビングの方に向かった。 後を追いながら、 「待てよ、ちゃんと話・・」 ミリは、テーブルに無造作に置かれたバッグから、2枚のメモを取り出し、俺に差し出した。 「なんだよ?これ」 俺は尋ねながら、メモを広げる。 女文字で・・電話番号?そして、名前、レナ。ルイ。 何も思い当たらず、答えを求めてミリを見る。 「それが、今日、酔っ払った理由なの。その理由を話したら、そのメモをケースケに、渡さなくちゃいけなくなるから。。だから、言いたくなかったの。。ズルイよね、、私。。だけど、、やっぱり、、黙って、握りつぶすわけにはいかない、、わ・・」 ミリは何もかもあきらめたような顔で、哀しそうに、話し始めた。 何があったのか、を。 ←1日1クリックいただけると嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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